SIMフリー その2

Mac/Web/WP/Mobile

wakahisaPc今なにゆえにSIMフリーなのか。

SIMにロックがかかっていようと、SIMフリーであろうと、使えればいいじゃないか、なぜそんなことに拘るのかという向きもあることでしょう。でも、通信キャリア側の都合でSIMロックがなされていること、それが日本の通信代を高止まりさせていることを考えれば、使えればいいとシンプルに納得してしまうのは隷属の発想ではないでしょうか。

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前回、海外のiPhoneはSIMフリーなのに日本のiPhoneはSIMロックだと説明しました(例外の国もあり)。昨年末よりAppleは日本でもSIMフリー版を販売するようになりましたが、ソフトバンク等の大手通信キャリアのSIMを使う限り、かえって割高です。

日本でiPhoneを使おうとすれば、2年縛り契約で月々7000円弱(電話料金別、注)。年でみれば、8万円程度。iPhoneの値段そのものはどの国でも600〜700ドル位なので、日本では1年分の契約料が機器代とほぼ同じ。2年分なら機器代の2倍の最低通信料です。通信各社が販売しているSIMロック版では、毎月2000円ちょいを差し引いて一見お得なように設定しています。月5000円弱でも結構高いと思いますので、電車でiPhone使っている高校生なんかに会うと親のスネが深く削られているなぁと思う次第。

wakahisaPb一方、昨年末国内販売が始まったSIMフリー版のiPhoneではお徳な割引きが消え、もろ月々7000円弱の通信コストがかかりますから年間の契約料は約8万円。契約縛りの2年でみると16万円! Macのノートブックが買えてしまう金額です。こんな通信費は国際標準なのでしょうか。否。

フランスやイタリア、あるいは香港やタイで現地SIMを使って通信したことのある人なら知っていることですが、彼の地の通信代はきわめて安い。一時的な利用に限って云っても、たとえばフランスのOrangeならこちら

イタリアタイについては既に私も紹介した通りです(半年すれば全く様変わりという業界なので要注意)。いずれにしても日本の通信費からみると大幅安ですし、国際ローミングや海外レンタル等に較べても随分安くなります。

なぜ日本の通信費が高いのか。おそらく儲けた分を設備投資の原資にしたり、他社の買収資金にしたり、あるいは乗換ユーザーへの優遇資金に使ったりしているのでしょうが、既存のユーザーにとっては余計な費用を払わされているようで堪りません。

マーケットは競争ですから、値段が高止まりしているなら安くする会社が出てくます。ところが、日本の携帯キャリアは自らの利益を保全するために、先に述べたようにSIMロックをかけて自分の会社以外の通信サービスを使えないように防衛しているのです。つまり、SIMロックとはバカ高い通信料を定着させるための大きな仕掛けになっているのです。

この状況を打開できるとしたら、SIMフリー携帯・スマホの大幅な普及とMVNO会社(注)のサービス拡充でしょう。日本が国際社会の一員なら、それが今後の方向だと思います。

海外利用なんて縁がない・関係ないと思う人でも、バカ高い通信料に何の問題も感じないのでしょうか。何か変だなぁと思うのであれば、SIMフリーのことを考えてみて下さい。だって、SIMフリーはユーザーにとってはウエルカムな仕様だから、です。

wakahisaP

(注)MVNO、つまりMobile Virtual Network Operatorとは、大手キャリアの通信回線を卸してもらい、それを切り売りする二次的会社のこと。BmobileやIIJmio、Umobile等々最近どんどん増えてきました。その通信料も月に1000円以下からいろいろで、大手キャリアに較べれば格安です。