60過ぎて株式投資は危険?
2025/08/12
こどもにお金を残したいのでお金を増やしたい、株とかどう?と友人から電話あり。私の生業が株取引だから教えて欲しいということなのか。でも明日はどうなるか全くわからないトランプ的世界の今日、退職金など大枚を株に注ぎ込むのはリスク大。以下、70歳手前の友人の問いに応えてみました。
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社会保障や年金制度があやしくなってきた現在、老後を心配し投資などでお金を増やしたいという気持ちはよくわかります。株式は敷居が低いので誰でも参入できますが、プロもアマも同じ土俵に上がるので弱肉強食。それまで株の売り買いをしたこともないような素人が簡単に勝てる世界ではありません。
新聞テレビあるいはネットは売り手情報だらけ。巷では株で億超える財産を作った人を持ち出して騒ぐメディアがたくさんありますが、内容は雑多で玉石混交。本当に有効な方法なのか、たまたま運が良かっただけなのか、それらを見分けられないなら近寄るのは危険です。とくに特定の銘柄紹介は提灯持たせの傾向ありで要注意。
株は上がるものだと思い込みがちですが、当然下がることもあります。だいいち上り詰めたらあとは下るしかない。過去の事例からわかるように何とかショックが起こると2〜3割ドロップは当たり前、リーマンショックの時には半分以上、100年前の大恐慌なら80%以上ダウン! 直ぐに戻ればいいのですが、そうじゃない場合もあります。
だから株の取引で最も大切なことは銘柄選択でも売買のタイミングでもありません。予想外の事態に対応する周到な準備と、何があっても動じない強靱な、あるいは鈍感なメンタルです(自戒を込めて)。とくにメンタルが弱い人は株なんぞやってはいけません。
一方で個別の株式は買うな、買うならTOPIX平均のようなインデックス、海外ならACWIとかSP500等々が良いというアドヴァイスがあります。これはある意味妥当な忠告ですが、もし100年前の大恐慌と同じような状況が起きたらどうなるか。ダウ平均は15年以上戻りませんでしたし、日本のバブルなら30年近く低迷しました。
インデックス買いが有効なのは時間を味方につけることができる人だけ。つまり、15年20年下がり続けても我慢できる人なら何とかなるかもしれません。私には無理です。ましてや現在70歳前後なら元値に戻る前に鬼籍に入るかもしれないので尚更。放置型投資はやはり危険です。それでも大丈夫だという鋼鉄の覚悟があるならどうぞ御自由に(笑)。
ということで、資産運用に関する問い合わせの回答でいえば、まず資産内容(不動産、動産など)の一覧化を行い、投資に充てる金額と、どれくらい増やしたいのか、そして投資年限はどの程度を考えているのか等を紙にでも書き出すこと。つまり投資する前に現状把握を、ということでしょうか。
お金儲けは簡単ではありません。とくに株で儲かるなどと安易に考えてはいけません。なのに誰かの話に乗れば儲かると考えるのは「私はカモよ」と言うに等しく、そういう人たちが多いからこそ投資詐欺が跋扈するのでしょう。高齢者で株取引に自信がない人は資産を増やすことより減らさないことに注力した方がベターです。
相場歴約40年の私自身のことで言えば、トランプ大統領就任で米国の未来が不透明になったことを受け、すぐに米国債を全て売却、米株売りでドル資産の大幅削減と現金比率アップ。上がりすぎの日本株式も少しづつ売却中。次の大幅ドロップ待ち。明日のことは誰もわかりませんから私の判断が妥当かどうかは後日判明(笑)。
