Zugaben

.Travel & Taste music

ルツェルン音楽祭のことを記憶に留めるため、あれこれ書こうと思っても門外漢が楽曲や楽団の音楽的なコメントをするのはやっぱり腰が引けます。だったら他の人が書かないような、そして自分が面白いと思ったことをメインにまとめてみることにしました。まず、アンコールの話。

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よく知られているように、演目を終えた後に演奏者が追加する楽曲がアンコール。そのアンコール曲、日本では終演後のフロアに「今日は云々でした」と掲示される場合が多いのですが、ルツェルン音楽祭ではそれがありませんでした。なぜ?

アンコールの曲名を知りたいと思っても分からないのはちょっと辛い。他の観客は知りたいと思わないのか、それともどんな曲でも曲名を知っているのか? でも、曲名を熟知している人ばかりじゃないはず。あの曲名は何だったかなぁ、どこかで聴いたかな等と思うのは素人ゆえか。

アンコール曲名が分からなくても何の問題もないのがヨーロッパ流なのでしょうか。どうやらアンコール曲の掲示は日本流のサービスなのかもしれないと思い始めました。

音楽祭を聴きはじめて一週間くらい過ぎた頃だったでしょうか、知りたいのに分からないのはモヤモヤするので、思い切って運営スタッフにアンコール曲の紹介はどこにあるのかと尋ねてみました。すると逆に、日本ではあるのかと問い返される始末。やはり、こちらではアルコール曲の掲示はないのが普通のようです。

そんな会話をしていると、アンコールで演奏された曲のリストが運営側にあるはずなのでそれをお伝えしましょうと嬉しい申し出があり、後日メールで頂戴しました。

2025ルツェルン音楽祭のアンコール曲一覧(一部)。運営事務局から頂戴したものです。

ちなみに、ここにあるドイツ語のZugabenとは英語のEncore、つまりアンコール。でもZugabenの原意は「おまけ」でEncoreは「再び」。どちらも日本語に訳すとアンコール。でも、この微妙なニュアンスの違いが文化の違いを表しているような気がするというと大仰でしょうか。それにしても、日本とヨーロッパ(スイスやドイツ)ではアンコール曲の取扱いに違いがあるという話でした。