Pletnev
2025/12/14
もう12月。比良山も山頂は真っ白。今年もコンサートやリサイタルへいろいろ出かけました。どれも聴き応えのある素晴らしいものでしたが、今年一番に記億に残ったものはやはり遠出したルツェルン音楽祭。また、ソロリサイタルでいえばシフさんか内田光子さんのピアノかなと思っていると、10月末に凄いのを聴きました。(以下一部敬称略)
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今年聴いたのは、1月はネマニャ・ラドゥロヴィチ(兵庫)、3月は辻井伸之(大阪)、4月5月は友人関係の演奏会、5月はHIMARI(福井)、6月は沖澤指揮の京都市交響楽団(京響)、8月〜9月はルツェルン音楽祭、9月下旬は河口湖ピアノフェスティバル、10月は辻井伸之(大阪)、内田光子(京都)、ミハエル・プレトニョフ(京都)、11月はアレクサンドル・カントロフ&コンセルトヘボー(京都)、そして12月は藤田真央&キリル・ゲルシュタイン(北九州市)等に出かけました。
ルツェルン音楽祭は濃密で今でも消化途中ですが、今年一番衝撃的だったのは10月31日のプレトニョフさんのピアノ。私が今までに聴いた中でダントツといって良いほど凄かった。
今年彼の名前には3回出会っていました。まず、5月にピアニスト藤田真央さんの本「指先から旅をする」(2023年)に登場する話を読んだ時。ある人の誕生パーティでのプレトニョフさんの演奏が同席した世界的なピアニスト全員を茫然自失させた逸話(詳細は本参照で)。
次に知人がプレトニョフさんのピアノリサルタル(6月 兵庫県立芸術文化センター)へ行ったら素晴らしかったと感激していたこと。三つ目は9月河口湖ピアノフェスティバルで辻井伸行さんが取り上げた「くるみ割り人形」。一般的にオーケストラで演奏されるこの曲をピアノ1台で演奏するために編曲したのがプレトニョフさん。素人耳にも複雑なフレーズ満載でした。

ロームシアターのサイトより
そのプレトニョフさん、いったいどんなピアノを弾くのか興味津々だったところ、たまたま内田光子さんのリサイタル時の折り込みチラシで京都で演奏会があることを知り、何とか席をゲット。そして10月末に京都ロームシアターで初めてライブで聴きました。
まず驚いたのは、ピアノの音が粒立っているといえばいいのでしょうか、メリハリのある響きで心地よく感じました。縦横無尽に音を操るっていう感じで、私が今まで聴いたことのない演奏に感激しました。ピアノはShigeru Kawai、河合ピアノの最上級バージョン。そして高関健氏(指揮者)も京響もプレトニョフさんの演奏に調和して素晴らしかった。

河合ピアノのサイトより
先の藤田本によると、プレトニョフさんは本番で少しアレンジするのが普通らしく、道理で途中でジャズ風のフレーズみたいなのが出てきたわけだ。ちなみに、ピアニストの藤田さんが最初に感激した演奏もプレトニョフさんだったらしい(先の逸話や Shigeru Kawai との関係などすべて藤田本に出てきます)。
こりゃイイ演奏を聴きました。直前まで今年一番はシフさんかな、内田さんかなと思っていたのですが、私にとってはプレトニョフさんの演奏がダントツ!(すべて個人の感想です、念のため)
演奏前に解説していたプロデューサーである海老彰子さん(1980年ショパンコンクール入賞者)によると、今回プレトニョフさんが演奏するモーツァルトの楽曲には左手の譜面がない部分があり、そこはプレトニョフさん自身が作曲して付加しているとのこと。それがリハする度に変わったり、カデンツァの演奏が変わったりして、指揮者やオーケストラの面々はドキドキで大変だったらしい。独奏ピアニストは指揮者やオーケストラとの丁々発止のやり取りの中から最高の音楽を生み出すということなのかもしれません。流石プレトニョフさんというべきところでしょうか。
余談ですが、当日はロームミュージックファンデーション主催。プレトニョフ(ピアノ独奏)+高関健(指揮)+京都市交響楽団(管弦楽)のチケット代が、S席でも破格の7000円!この演奏がこの値段で聴けるのはなんて素晴らしいことか。ロームに感謝します。海老さん、これからも宜しくお願いします(と、連れ合いが休憩時間中にすれ違った海老さんに大胆にも声をかけていました)。