なのはな

.Books&DVD… 3.11

なのはな (コミックス単行本)ポスト3.11で原発関連漫画といえば、萩尾望都さんのこれも取り上げておきましょう。この本は原発事故以降発表された「なのはな」「プルート夫人」「雨の夜 ー ウラヌス侯爵 ー 」「サロメ20XX」そして「なのはな ー 幻想『銀河鉄道の夜』」を収録。直裁的な原発批判を幾分抑え、核やその廃棄物の禍々しさをアイロニー込めて伝えています。時間を超える、つまり時間が経っても全く色褪せない内容は流石。


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イグアナの娘 (小学館文庫)萩尾さんといえば、「11人いる」とか「地球(テラ)へ」などが出てきます。でも、私にとって一番衝撃的だったのは「イグアナの娘」。テレビでは川島なお美&菅野美穂で母娘を演じていましたが、母が娘を見る時にイグアナになるシーンが強烈でした。

実は昨年ひょんなことで「つれうつ」を読み、作者の細川 貂々さんの漫画に「イグアナの嫁」というのがあるのを知りました。あれっ似たような漫画があったやんかぁと考え、ご本家「イグアナの娘」を思い出し、改めて読んだ次第。さらに、その勢いで萩尾さんの「一瞬と永遠と」(エッセイ集)も読破。「つれうつ」はいずれ取り上げましょう。



一瞬と永遠と肝心の今回の作品は私があれこれ云うまでもありません。

ALARA原則とかICRP、それにプルトニウムの半減期やら核の平和利用のゴマカシ、原子力利用推進のための見返り云々にいたる一連のキーワードをこれでもかと漫画の中に埋め込んで、その難解さ小難しさをかわしつつ、その存在意義や私たちとの関係を著者自身の解釈で味付け展開した、いわば萩尾ワールド。十分な読み応えは相変わらず。素晴らしい!

科学や技術の考証がしっかりしているのは作者のこだわりなんでしょうが、それもまた脱帽です。


ちなみに、私と萩尾さんとはつながり次数で2。意外と近い(苦笑)。私自身は萩尾さんとは面識がありませんが、SFイラストレータの加藤直之さんとお知り合いだと某サイトで知ったので、加藤さんと面識のある私は次数2になるというわけ。