つながり

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つながり 社会的ネットワークの驚くべき力世の中お休みモードで、ちょっと毛色の変わった話題を1つ。
人と人との繋がりの関係あるいは社会的距離を数字で表す方法があります。ベーコン数とかエルデシュ数とか、そんな類のものもそうですが、これでは対象世界を限定してしまうので測距範囲が狭すぎ。
もっと一般的実用的に「面識の有無」とか「話をしたことの有無」みたいなので評価すると、意外とこの世の中は狭いことがよくわかります。いわば、「世界の誰とでも六人でつながる」というヤツですわ。

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ベーコン数からいきましょう。ベーコンとは映画俳優のケビン・ベーコン、彼との関係を映画での共演関係で測ろうというものです。共演があれば次数1、なくても彼と共演したことのある俳優さんと共演していれば次数2、共演俳優と共演している俳優さんと共演していれば次数3・・・としていって、それぞれの俳優さんがどれくらいベーコンと近いか・あるいは離れているか、それをチェックできるというわけです。

一方、エルデシュ数は論文数が多い数学者のエルデシュを起点にし、彼との共著論文があれば次数1、彼の共著者との共著があれば次数2というように関係を測っていきます。すぐわかるように、ベーコン数は映画界、エルデシュ数は数学界というネットワークを測るには良いでしょうが、一般人の社会的関係を表すのには適当ではありません。

もともと、社会的つながりを研究したのはスタンリー・ミルグラム。1967年に行われた彼の方法は、ネブラスカ州の数百人の人たちに100マイル以上離れたボストンにいる某ビジネスマン宛の手紙を、彼との関係が自分よりも深そうな人に渡してもらうようにお願いし、それを目的の人に届くまで繰り返すように依頼した、というものでした(ストップ条件は目的人物と直接会ったことがあり、ファーストネームで呼び合う関係である人に辿り着くこと)。この手紙が何人の人を経るのかというのが調査内容ですが、結果は5.5。つまり約6人を経由して相手に届いたというわけです。

新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く詳しくは専門書を参照いただくとして、「世界の誰とでも六人でつながる」といわれるものの根拠がこれです。面白いと思いませんか? 

最初にこれを聞いた時、こんな簡単な指標で社会的関係を測れるなんて便利だなぁ、世界は狭いなぁと思った次第です。

ハブとなる人と面識がある場合にはその狭さは一段と増すでしょうし、そうじゃなくても思いがけずリンクすることが多いのです。でも、Facebookのように明示的になってしまうと興覚め(私の好みじゃない)。