がれき受け入れは難しい ・・・ 徳島県の見解
2012/04/19
先日、放射性がれきの全国的ばらまきについて、「(…)放射性廃棄物なら低レベルであっても法的には隔離保管が基本です」と書きました。
法令で禁じている廃棄物をなぜ国は全国の自治体に放り投げるのか。大政翼賛メディアと化しているNHKなどでは法律違反だという専門家の声は決して登場させません。その結果、「震災復興のためガレキ処理に手を貸すのは当たり前、反対するのは間違い」だと多くの人は思っているのではないでしょうか。でも、それは一種の洗脳操作の結果に他なりません。
ちょうど昨日届いたミニコミ誌「廃棄物列島」(廃棄物を考える市民の会)に、熊本一規さんががれきの広域処理の問題点を説明されていました。その中に徳島県の見解が引用されており、これがきわめて筋の通った明快な説明なので、ここでも紹介しておきましょう。
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徳島県のHPでは県民からの意見を採り上げ、それに答えるという「目安箱」というページがあります。その中に、「放射線が怖い? いいえ本当に怖いのは無知から来る恐怖」(60歳男性、登録更新日:2012-03-15)という県民の注文があり、「なぜ県はがれき処理を引き受けないのか、情けない、自分だけ良ければいいのか」という怒りに満ちたお叱りとなっています。
それに対し徳島県は、
- 徳島県は協力できる部分は協力したい。
- でも、放射能を帯びたがれきについては問題あり。
- 311前の基準は1kgあたり100ベクレルだった(IAEAの基準)。
- でも、今回は1kgあたり8000ベクレル(国から十分な説明も根拠の明示もない)。
- このレベルは低レベル放射性廃棄物として厳格に管理されなければならない。
- 国の基準より厳しい基準で運営していた箇所で汚染が発覚している。
よって、徳島県としては、
「県民の安心・安全を何より重視しなければならないことから、一度、生活環境上に流出すれば、大きな影響のある放射性物質を含むがれきについて、十分な検討もなく受け入れることは難しい」
と回答しています。実に明快で筋の通った見解です。これがおかしいとか、情けないというのは全く当たっていません。詳しくは該当箇所を是非読んでみて下さい。
この国の民は「がれき処理を受け入れないのは間違い」的な、御用メディアによる洗脳操作を日々受けています。徳島県の見解からもわかるように、国の言い分は奇妙で脅しのようなもの。
がれき処理の基準について根拠はきわめて曖昧。無きに等しい。きわめて政治的な判断ですから、科学的に安全かどうかという議論にはなり得ない。
また広域処理が妥当なのかどうか。運搬手間や汚染の拡散を考慮するなら近隣で処理処分する方がずっと簡単ですし、関連事業による被災地復興の経済効果もあるはず。災害復興・被災地支援という美名を恫喝手段にした惨事便乗型ビジネスの全国的展開はご免被りたいものです。