鯉のぼり

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急に春がやってきて一気に初夏の雰囲気です。ドッグウッドがやっと色付き始めたばかりなのに、ヤマボウシは既に新緑の葉っぱでいっぱい。著莪の花も1ヶ月ほど早めでしょうか。う〜〜ん、今年は例年の歳時記では計れませんわ。でも、黄砂はしっかり例年通りで、今年も視界を遮っています。

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以前にも書いたことがあるかもしれませんが、学生時代に習ったことで今でもしっかり覚えていて、おまけに時々会話の端々に登場させるのがあります。日本の雨量は今後どうなるかという話。

雨がどれくらい降るのか。普通、過去の統計を元にして見積もりを行い、それに応じて工学的・社会的に雨対策を考えます。降雨量の予測に始まり、下水や排水計画の策定と実施、浸水の危険性予測などなどがそう。学問的には水文学といい、「みずぶんがく」じゃなくて、「すいもんがく」。天文学の水バージョンですね。

でも、この推測や計算が将来ともそのまま通用するのかどうか。その昔、水文統計学を組み込んだ水資源工学の授業で某教授は興味深い話を私たち学生に提示してきました。

今後シベリア開発が進むと大陸の自然環境は激変するだろう、だとしたら大陸とのバランスで決まってくる日本の気象も当然変わる。その結果、今後の降雨量がどうなるか、予測してみよ。・・・てな話です。

いろんな想定の下にシナリオを書いてみるとたしかに面白い。でも、条件を変えると増えるのか減るのかさえ、はっきりしません。要するに、変化は予測できるが結果はわからない。増減するかどうかさえ曖昧なのでは使い物になりません。

実際のところ、ここ数年、雨量はかなり増えてきました。それも短期間に集中的に大量の雨が降るという異様さを伴っています。全国各地でいろいろな被害を与えていることもご存じのはず。

昔私たちが授業を受けた時の影響元はシベリア開発だったけど、現在考えるべきは中国の環境変化。中国での経済活動が大きく伸びたことで大陸の気象条件がどんどん変化してきているのでしょう。ジェット気流なども過去には想像のつかないくらいに長期間蛇行しているようです。これでは日本の気候も変わるし、過去の歳時記なんてのも見直さなければならなくなるでしょう。厄介だなぁ。

写真は近所の小川のたもとに並んだ鯉のぼり