NYTimes 日本政府の対応を批判

.opinion 3.11

8月9日付けThe New York Timesに、Japan Held Nuclear Data, Leaving Evacuees in Peril (意訳:日本は原発データを隠し避難者を危険に晒した)という記事が出ていました。本サイトでも繰り返してきた、SPEEDIデータ隠しで福島県民を被曝させてしまった件についての話です。

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記事は、日本政府の原発事故対応について、その誤りを指摘して批判しています。まず、SPEEDIデータの隠蔽で本来避難すべき人たちを危険に陥れたこと、そして、メルトダウンの事実を約3ヶ月も隠し、その間学校の被爆基準を勝手に緩めてしまったこと等々。小佐古教授の抵抗などにも触れ、日本政府がいかに被曝に関して杜撰かを紹介しているのは既に多くの人が納得できる見方でしょう。日本のメディアとは大きな違いです。

小佐古教授の証言によると、以下の通り。

Mr. Kosako said, the prime minister’s office refused to release the results even after it was made aware of Speedi, because officials there did not want to take responsibility for costly evacuations if their estimates were later called into question. (NYTimes 2011/08/09)

意訳:小佐古教授曰く、「官邸側はSpeediのデータを知った後でもそれを公表することを拒否した。なぜなら、後日被曝推定が問題になった時にお金のかかる避難退避の責任をとりたくなかったからである」。

これは無作為の犯罪行為でした。日本政府が被曝民を見捨てた、この経緯がNYTimesを通じて世界中に発信されたというわけです。

奇妙なことに、このNYタイムズの記事を朝日新聞が紹介していたこと。NY支局からすると自社批判を兼ねた記事紹介なのかもしれませんが、本国の朝日新聞は国といっしょになって福島県民を高線量被曝に追い込んでいたわけですから、NYタイムズの批判を正面から受けなければなりません。でも、それについては知らない振り。やっぱり朝日は卑怯な新聞だな(怒)。読売・サンケイは今でも原発推進で論外。