NHKや朝日は卑怯・・・

.Books&DVD… 3.11

報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪 (幻冬舎新書) と云ったのは上杉隆さん。
烏賀陽弘道さんとの共著「報道災害[原発編]」の中の1節です。

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何が卑怯かというと、今回の311の避難退避に絡んだ話。南相馬市にはNHKや朝日新聞の支局があるのだそうな。ところが3月12日の時点で記者は逃亡。内規を調べると、朝日は50km、時事通信は60km、NHKは40kmの退避避難とのこと。これってほぼ欧米基準といっしょじゃないですか。

危険だから逃げるのはまぁいい。でも、NHKも朝日も「安全」で「ただちに危険はなし」という当局マヤカシ発表をタレ流していたじゃないですか。自社社員は逃がしておきながら、民に安全を説いていたのは許しがたい話。上杉さんが卑怯だというのはそのこと。まさしくその通り。

自社規定で危険なんだから、福島県人にとっても危険なわけで、大変なことが起きているかもしれないみんな逃げろ!と何故朝日やNHKは報じることができなかったのか。おかげで福島の大勢の人が逃げ遅れて大量被曝してしまいました。メディアの責任も重いというべきところです。この本で著者2人が言いたいこともタイトル通り、そこに尽きます。

この本には朝日やNHKほかメディアのアコギな話でいっぱいです。上杉さんに原発反対という基本線がないが故に危うい議論もありますし、識者の評価に難ありな処はまぁ個性ということにしておきましょう。でも、デタラメを報じる既存メディアに対する批判は超一級。読む価値ありです。

著者らは「これからメディアはどうしたらいいか」という問いに、「食品値札への放射線量の明記」「老人と子どもの格差摂取制限」「放射能飛散予報」の3つを提言しています。第一番目は是非実現してほしいものですし、メディアもこれ以上御用メディアと呼ばれたくなければ、すぐさま反省して取り組んでほしいものです(無理だろうなぁ)。