今時のコンサートチケット代金
2024/12/26
来年夏にやってくるベルリンフィルのヴァルトビューネでのチケット代金について先日触れました。中央正面の10万円の特別席は一般人を排除しているようでちょっとイヤな感じ。では一般席の4.5〜5万円は高いのかどうか。先日触れたように、楽団員とその関係者の渡航費、宿泊費、出演料などを考えれば、まぁ分からないでもないのですが、これを高いと感じてしまうのは安い日本の証拠だということが私にもわかってきました。それは・・・
・・・
コンサートのチケット代について、来年のヨーロッパで開催される音楽関係のチケット代を調べてみました。まず3月にベルリンで開催されるHimariさんとベルリンフィルのチケットは47〜149€。日本円に換算すると7700円〜2.5万円で、懐に合わせて席が選べるのが有り難い。ベルリンフィル本拠地とはいえ、新人登場という事情もあり、こんな値段設定になっています。
次に来夏のルツェルン音楽祭(スイス)。実はこの音楽祭には例年ベルリンフィル、ウィーンフィル、ロイヤル・コンセントヘボウ、パリ管弦楽団など一流どころが勢揃いするので、聴きに行ってみたいなぁと思っていました。でも、チケット代を調べてみて・・・、なんとまぁびっくり。
たとえば、クラウス・マケラさん指揮のロイヤル・コンセルトヘボウ楽団のチケットなら、「CHF 320 | 270 | 220 | 150 | 80 | 40」。CHFとはスイスフランのことで現在175円程度ですから、一番良い席は5.6万円。凄い値段ですね。安い日本を実感する次第です。(ちなみに35年前のCHFは85円程度だったので約2倍! 時の流れを感じます)
ついでに来年7月8月のザルツブルク音楽祭もチェックしてみたら、これまたびっくり。たとえば、Möstさん指揮のウィールフィルなら、15〜240€となっています。日本円で換算すれば、2500円〜4万円!あらら。ただし、最上段の最後尾の見にくい席、音響的に問題のある席、立ち見席、若者席など、様々な理由で、一流オーケストラにも安い席が設定されているのがヨーロッパの懐の深さかもしれません。
ベルリンフィルやウィーンフィルはヨーロッパで聴きたいなんて思っても、昨今の物価高と円安でご当地でも良い席は4万円とか5万円超!。数年前より随分高くなってしまいました。これがグローバルな相場だとしたら、やはり日本だけデフレで取り残されてしまったというべきでしょう。
そう考えてくると、河口湖のステラシアターで開催されるベルリンフィルのヴァルトビューネ、先日は高いなぁと云っていた4.5〜5万円の料金が違って見えてきました。チラシなどに「龍角散presents」なんてデカデカ載っていて少し品がないなぁと思っていましたが、この値段で収まっているのは大スポンサーである龍角散や大和証券が多額のサポートをしているおかげかもしれません(ホンマ)。
まだ詳細な日程は発表されていませんが、来年11月にはベルリンフィル(ペトレンコ指揮)、ロイヤル・コンセルトヘボウ(マケラ指揮)等が来日するようです。日本でのチケット代がどの程度になるのかはまだ分かりませんが、内容によってはヨーロッパに行くよりも意外と割安かもしれないと思えてきました(おいおい)。