森のピアノ

.Travel & Taste music

河口湖畔から琵琶湖畔に戻ってくると朝夕は涼しく、もう初秋の雰囲気でした。お変わりございませんか。

漫画雑誌に「ピアノの森」というのが以前連載されていました。まさにそのリアル版みたいなものが実在します。場所は河口湖畔。演奏するのはピアニストの辻井伸行さん達。昨年春、緑の森の中で辻井伸行さんがピアノを弾いている写真を雑誌で偶然見つけました。いったい何処?と調べると河口湖畔、ピアノフェスティバルのプログラムの中ににそういうのがあったらしい。こりゃ是非聴いてみたいねと夫婦で話合っていたら、今年やっと叶いました。

・・・

こちら、昨年に続いて富士山麓河口湖畔で行われたピアノフェスティバルに9月15日から18日まで出かけてきました。今年で三回目となるフェスティバル。チケット取りには難儀しましたが(笑)、今年は運良く15日晩のプレミアム・リサイタルとステラシアターのアリーナ席が取れたのでウキウキと出かけてきました。(追記)

まず円形ホールで開催された15日(金)の辻井伸行さんのプレミアムリサイタルは、ピアニストの息遣いまで届くような演奏を最前列で堪能。これゾ至高の贅沢というものでしょうか。

続く16日のファジル・サイさんのピアノにはびっくり(後日紹介)。またピアノ連弾のレ・フレールのピアノは楽しそうでマル。そして辻井さんは今年は優しさに力強さも加わり、毎回聴く度にどんどん素晴らしくなっていくような感じ。17日も18日も圧巻の演奏盛り沢山で感動しましたが、ここで紹介するのは「森のピアノ」です。

森の中でピアノを弾く辻井さん

16日(土)河口湖畔ステラシアター南側の芝生公園の森で、「ピクニック・コンサート」と銘打ったピアノ演奏会が行われました。今年で三回目、昨年はあいにくの雨で日時変更となったため聴くチャンスを失してしまいましたが、今年は好天に恵まれ、こちらもウキウキ。

少し早めに会場へ向かうと既に数百人の列。事前申込みは必要ですが無料のコンサートで指定席は無し。このため、ピアノに近い芝生を確保したい人々が並んでいる様子。芝生広場は結界のようなロープで仕切られていますが、ピアノを聴くだけならロープの外側でも大丈夫。そういった事情を知っている人たちはロープの外側の木陰にシートを敷いたり簡易椅子に座ったりして寛いでいます。

演奏は三浦舞夏さん、辻井さん、レ・フレール、の順でしたが、オープンエアーで天気良しとくれば音も伸びやかに響きます。おまけに時折吹く風が樹木の香りを乗せてやってくるのが面白い。その風がピアノのリズムに時々合うとこの上なし。こりゃ凄いな。


音楽ホールで聴くのもいいですが、オープンエアーで寛ぎながら愉しむ音楽というのも趣きが変わって面白い。漫画の「ピアノの森」の世界がここにリアルにあり、という感じ。音楽の新たな愉しさをまた1つ味わった気分です。

この雰囲気と予想を超える痛快さ!は聴くまでわかりませんでした。ホンマかいなと思ったら、来年あなたも是非どうぞ。

(追記)チケット取りよりも困難だったのは宿の確保。ちょうどアニメで有名になった「鬼滅の刃」の野外オペラが富士急ハイランドかどこかで上演されるということで、ホテルから小さな宿までツインの部屋はほぼ満室状態。何日もチェックしてキャンセル空きを探し出し何とかゲット。