2022秋 備忘をかねて雑感

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7日は立冬。寒い冬がやって来ます。京都の千枚漬けの仕込みが本格化とのこと。

随分御不沙汰でした。でも、体調良く毎日元気で、いろんな処へ出かけています。9月は十津川温泉と飛鳥、そして姫路市立美術館で杉本博司さんのオープニングトークを聞き、下旬は東京経由で富士河口湖ピアノフェスティバルへ。10月は和歌山で友人家族とお寿司を楽しみ、下旬には会津若松の向瀧と裏磐梯のアアルトで温泉三昧。今月は正倉院展へ出かけました。

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こんなご時世なので、今年は海外を除き、可能な限り行きたい所へ、今まで行けなかった場所へという方針で臨んでいます。秋はまず十津川温泉の「やど湯の里」へ。その宿がご近所の友人の馴染み旅館と後で知ってビックリ。山間部にある小宿ですが、温泉の質が素晴らしい。また、帰りがてら寄った飛鳥の古墳群にも感激。近年発掘が進み、こちらの古知識では全く太刀打ちできません。

9月中旬は姫路市立美術館へ。杉本博司さんの『本歌取り』展の初日のオープニングトークに参加応募していたら当選したので、イソイソと夫婦で出かけました。

会場には某F美術館館長やアート関係者でいっぱい。肝心のトークは御本人と武者小路千家の千宗屋さんとの対談でしたが、これがなかなかの掛け合い。杉本さん、大御所的な感じはなく、まるで好々爺でフレンドリー。作品の面白さは人物の面白さなのか。入手した逸物骨董を自慢する相手に選んだのが千宗屋さんという話に人間臭さを感じ、杉本さんへの親近感がぐっと縮まりました(物理的にも最接近1m以内!)。

9月下旬は河口湖で開催されたピアノフェスティバルへ。ピアニストは辻井伸行さん、加古隆さん、山下洋輔さん、菊池洋子さんら。東京に泊まって23日朝に新宿から河口湖へのバスに乗ると、八王子付近の事故で大渋滞。予定より2時間遅れで開演ギリギリに会場に到着。主宰者側の事情で開演が30分遅れになっていなかったらアウトでした。

山下洋輔さんに至っては台風の影響で名古屋からの新幹線が23日夕方に静岡付近で停車してしまい、会場に辿り着いたのは18時間遅れの翌日14時だったとのこと。ふだんは演奏前に話はしないけれど今日はしゃべらせて、と言って経緯を話されたので、よほど大変だったのでしょう。それでも、演奏を始めると実に楽しそうでエネルギッシュな演奏だったので驚きました。

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10月は今年3回目の白浜『オーベルジュサウステラス』へ。源泉掛け流しを楽しみ、翌日は和歌山市へ。初代ふふはり亭オーナーの南さんご家族と地元のお寿司屋さん『天の』へ。産地の違うワサビをネタによって変えるという拘りが印象的な、美味しいお寿司を堪能しました。

10月下旬は会津若松へ。宿は向瀧。ここは「ザ・温泉旅館」とも言える所で素晴らしい。また、2泊目は2年前に行けなかった宿を友人が褒めていたので、こりゃ是非行こうということでホテリ・アアルトへ。こちらも素晴らしく楽しめました。

そして先週は奈良へ。今年で第74回の正倉院展ですが、私たち夫婦にとっては4回目。コロナ禍で時間予約制となり以前はコミコミだった入館がスイスイ。いつもながら呆れる程すごい品々に時間を超越した美を感じたところです。

その晩は『白』で感激ディナー。最近、いろんな雑誌で取り上げられることが増えた『白』ですが、ここを訪れるようになったのは、お料理の美味しさだけでありません。地産地消の素材選択の妙や季節季節のテーマに沿ったお料理が面白いから。毎回驚きの連続とともに舌鼓。

正倉院展の古代鏡模様の粉海苔の上に焼きカマス、左上は鳳凰柄の古代ひしお(2022年11月2日 @奈良 白)

食といえば、10年前に始めた糖質制限は11年目に突入。最近は食物繊維の摂取や食事の順序を重視し、糖質の絶対量は必ずしも問題にしていません(後日紹介)。