直島時間 その5

.Travel & Taste art

昨夕ちょっとびっくりなニュースが飛び込んできました。先輩のO氏から「草間彌生の南瓜が波にさらわれた」とのメールあり。調べてみると、台風で海が荒れ、先日紹介した海辺の南瓜が流され破損していました。台風などの時には別の処に収納すると聞いていましたが、間に合わなかったようです。

・・・

直島には草間彌生さんの南瓜が2つ。1つはフェリーターミナルにある赤南瓜、もう1つはベネッセパークの浜辺にある黄南瓜。直島といえば、この南瓜がすぐ出てくるくらいシンボル的作品で、今回流されたのは後者でした。

出典はニコニコニュース

報道によると、事故が起きたのは昨日9日の朝10時半頃。台風9号の影響で「作品を固定する金具が外れて海に流された後、桟橋に何度も打ちつけられた。作品は社員が回収したものの、三つに割れてしまった」(毎日新聞 2021/8/9 20:05)とのこと。

ベネッセでは台風9号に備え、開館時間変更や臨時休館の措置をとっていました。黄南瓜に関しては先月現地で聞いた解説によると、台風で流されることが過去にあり、危険だと判断したら設置場所から収納場所へ移し替えるとのことでした。重さや手間はと問うと、樹脂製の張りぼて状態なので動かすのはそれほど難しくないらしい。

残念ながら、今回は移設が間に合わなかったようです。ネットにある画像や映像をみると、無惨にも黄南瓜が荒い波に呑まれ、割れていく様がわかります。

また直島のベネッセアートサイトには風で動くオブジェなど屋外展示品がたくさんあります。他のは大丈夫だったのでしょうか。とくにジョージ・リッキーさんのは強風で壊れそう。台風の時には解体すると聞きましたが心配です。

ジョージ・リッキー「フォー・ラインズ」

ジョージ・リッキー「三枚の正方形」

それにしても、カタチあるもの、いずれ壊れるは真理の1つ。前回「アート作品は時間を超えて残りますが、生身のこちらは老化が進行中」と書きましたが、そのアート作品でも火災地震台風その他自然の猛威には敵いません。何事も時空間の一断面しか共有できないとすると、今この時を楽しまずしてどうするのか。チャンスは作ってでもアート鑑賞の機会を得ようと思う次第です。