関電の闇は深い

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今回の収賄事件が顕わになるまで、多くの人は関電という大企業をそこそこ信用していたのではないでしょうか。でも、昔から関電の情報隠蔽は当たり前、政治家への貢ぎ物はしっかり、という醜い実績あり。昔を知らない人のためにいくつか紹介しておきましょう。

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先日紹介していたYoutube上にある関電のTVコマーシャルがアクセスできないようになりました。アクセス集中で嫌気が指したのでしょうか。

さて、情報隠蔽。40数年前、関西電力の美浜原子力発電所で(関電曰く)燃料棒の折損事故が起きました。メルトダウンに繋がるかもしれなかった深刻な、この事故は外部には公表されず、関電は秘密裏に対処しました。

なぜヒミツな事故が表に出てきたかといえば、田原総一郎さんが内部告発を受けて雑誌「展望」でこの事故を紹介したから。紹介したといってもドキュメンタリー小説の中で触れただけ。ところが、広告代理店から彼は執筆を止めるか仕事を止めるか迫られたと、どこかで書いているのを読みました。

雑誌にバラされてしまい事故を隠せないと判断したのか、関電が公表したのは事件が起きて約4年後、田原さんが雑誌に書いてから半年後という有様。これでこの国の原発が安全だと云えるのでしょうか。

大阪市長が関電の隠蔽体質を問題にしていたのは、言いがかりでも誇張でもなく、バレなければヒミツにしようという「関電コンプライアンス」を指しているのでしょう(今回も国税の追徴課税がきっかけで返金などを開始)。

もう1つ。関電の政治工作については元関電副社長内藤千百里さんが5年前に克明に証言しています。忘れた人も多いでしょうから、当時の映像を貼っておきましょう(注記)。



関電は1972年から18年間、歴代総理に盆暮れ2回計2000万円づつ献金してきたという話です。この原資は電気料金だ、東電福島原発の事故はけしからんという思いで語ったということらしい(内藤さんは高浜町元助役の森山氏とは昵懇、昨年1月に逝去)。

知らない認めないと主張する元総理らはヤミ献金だったとバラしているようなもの。

古館さんの報道ステーションが閉鎖に追い込まれたのは大スポンサーである権力支配層がこういう真相の公表を嫌ったことにもあるんでしょう、きっと。

昨日紹介した大阪地検とのズブズブな関係をはじめ、関電の闇は深いというべきところです。

(注記)この映像がもしアクセス不可になったら、朝日新聞かTV局がそう命じたということに他なりません。