「この国の現実」は変えられる

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関電収賄事件をどこかのメディアで「日本の現実」だと評したコメントが出ていました。過疎の町が生き残るための必要悪、程度の差こそあれどこの会社もやっていることだし、全国どこにでもある話ではないか、というものです。たしかにそうかもしれません。でも、それを放置していると「日本の現実」は変わりません。行き着く先は格差くっきりの非情な階級社会。関電幹部の、庶民をコバカにした厚顔さは既にその兆候が出ています。

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醜悪な収賄事件を、これが現実・どこでもある話だと云われてしまうと、どんな気持ちになるでしょうか。話し手の意図はどうあれ、「たしかにそうだ」、「これが現実なんだから仕方ないなぁ」で今を打開しようという意気込みには繋がりません。

「関電ひどいなぁ」「金額でかいなぁ」「まぁどこもあることだろうね」などと井戸端・居酒屋の愚痴のごとき話をするだけでは「この国の現実」は変わりません。SNSやネットで鬱憤晴らしをするだけでは状況が打開できるはずもなし。

この手の話をするコメンテーターが皆、読者・視聴者の気勢を殺ぐ効果を狙っているわけではないのでしょうが、前向きでこの手の話をするなら、現実は一人一人で変えられる、という話とセットにする必要があります。

今回の件に関しては方法はシンプル。何度も繰り返しているように関西在住者なら関電との電気契約を解約すること。これが一番効果的。契約者数が減れば収入減。経営者の責任問題にすぐに発展し、ファンドのお金も逃げていくでしょう。

やり方は簡単。関電と縁切りして他の電力会社に変えるだけ。関電本社前でデモしたり座り込みする必要もなし。別の電力会社に契約申込みをするためには書類数枚作成して郵送するだけなので、あなた自身の生活には全く影響ありません。新しく契約した会社がすべて手続きをしてくれますから関電にお伺いする必要もありません。おまけに電気代は関電よりも安く設定されているので家計にもマル(信用度はいろいろなので個別にチェックして下さい)。

関西だけではありません。今回の関電のような醜悪な取引をやっているのが原発事業の「現実」なのですから、それに反対なら原発を進める電力会社とは縁切りしましょう。(ほとんど役立たずだった民主党政権が残した数少ない成果の)電力自由化の効力は全国どこでも使えます。あなたの前向きな一歩を期待しています。