関電幹部が恐れるモノ

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先週来の関電収賄事件。まだまだ隠されたものがたくさんありそうですが、常識を働かせて整理しておきましょう。
(追記)ダイヤモンドオンラインに、窪田順生氏の 関電がパワハラ被害者面する一方で言及を避ける「不都合な真実」と題する記事あり(10/3)
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まず、事件の発端は。昨年1月に金沢国税局(税務当局)が福井県で原発関係の業務を担っていた吉田開発を税務調査。すると吉田開発から3億円が高浜町元助役の森山栄治氏(今年3月死去)に流れていたことが判明。

そこで金沢国税局は森山氏の自宅を捜査し、金品の提供先や金額が詳しく書かれたメモや帳簿を発見。そのメモや帳簿に基づき関電幹部の自宅調査を行ったところ、リストに記載されていたモノが見つかったので、関電幹部への修正申告という課税措置を執った。(出典は時事通信のJIJIドットコムニュース

ところが、収賄が税務当局で暴かれたのに関電側は事件を隠蔽、大阪地検特捜も動かない。業を煮やした誰かが(注記)、いったいどないなっているねん?と今年3月前後に告発文書を関電側に送付。関電がきちんと情報提示しないならマスコミや大阪市や住民団体などにばらすゾという警告条件つきでした。(出典は日刊サイゾー

それでも関電は情報隠蔽を図るのみで、外向きには動きませんでした。そこで、この話はマスコミ数社ほかに流されましたが、裏取りが難しかったのか、報道されず仕舞い。やっと9月26日になって、共同通信が先鞭をとるカタチで社会を騒がせることになった、というのが今回の経緯です。

その後の話は、ここ数日の報道の通り。地元利権に敏感な福井新聞ががんばっていたり、産経新聞が尖って報道しているのが興味深いところですが、何か理由があるのではないかと勘ぐってしまいます(笑)。

さて、関電幹部が恐れていたのはいったい何か。森山メモや帳簿の存在でしょうか。でも、これは修正申告で決着がついた、残りは受け取ったものを返却するだけ、と考えていたのではないか。じゃ彼らは何を恐れたのか。

おそらく森山メモ・帳簿にはもっと面倒な、決して国税レベルでは触れられないようなモノがあったのではないか。

関電会長が森山氏に恫喝されたので返せなかったと抗弁していますが、大会社の幹部が小さな町の有力者にビビるのは奇妙です。これは森山氏の背後にいる政治家や利権集団に恐れおののいた、と考える方がわかりやすい。

ネットでは森山氏の出自や吉田開発という会社の経歴について記したものが出ていますが、そういった「人権」問題も背後にいる政治家の存在を仄めかしています。

見ている人の関心を目立つところへ引っ張り、端っこや裏でタネを仕込むというのが手品の妙技。今回の一連の騒動で隠されたものは何でしょうか。おそらくそれが関電幹部がもっとも恐れた「事実」ではないかと思う次第です(根拠なしの私見です、念のため)。

(注記)告発文書の主は国税か財務省関係か、あるいはそこから情報を得た人物か。一番の功労者に拍手。

(追記)ダイヤモンドオンラインに、窪田順生氏の 関電がパワハラ被害者面する一方で言及を避ける「不都合な真実」と題する記事あり(10/3)。高浜原発3号4号の稼働にまつわる「白日のもとに晒されたら関電が吹き飛ぶようなもの」が森山栄治氏の残したものの中にあるのではないか、というのが窪田氏の読みです。当たっているかもね〜。