関電と縁切り

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関西電力は9月4日自社サイトにおいて、ソーラー発電の電力を会社が預かって使用電力に充当するサービスを公表しました。称して「貯め得サービス」。
このサービス、ホンマにお得なのかどうか。誰にとって得なのか。少なくとも私にはお得ではありませんでした。したがって予定通り、拙宅の電気は関西電力以外と売り買いすることに決めました。ソーラー発電を開始して20年、やっと原発電力会社と縁を切ることができそうです。(後で注記追加)

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関電が発表した「貯め得サービス」は以下の通り。

要するに、ある月に預かった電力はその月の購入電力に充当できるが、一定量を超えたら8円/kWhで買取します、ということ。ちなみに東京電力では再エネ預かりプランという名称で4000円という利用料になっています(250kWhを越えると8.5円/kWhで買取)。

これは本当に「貯め得」なのか。それは11月から始まる新しい電力買取制度に関係します。というのも、そのまま電力会社に売れば、1kWh当たり8円(関西電力)にしかならない電力をいったん関西電力に預けると、使う電力と同じ価値(約24円/1kWh)を持つから。

たとえば月に200kWh電力を使う家庭の場合、ソーラー発電で100kWh電気を預けたとしたら、支払いは100kWh(200-100)で済みます。売ればたった800円だったのが本サービスを使うと約2400円の価値を持つというわけです。

でも、ここでいくつか問題あり。まず、この「貯め得サービス」を受けるにはサービス利用料として月に800円〜5000円の利用料を支払わなければなりません。その結果、各家庭の発電実績次第でお得かどうかが分かれてくるのです。

また、預けることができる量には50kWh(「貯め得サービスS」)とか150kWh(「貯め得サービスM」)の制限があり、当月に限ってのみ購入電力に充当できるという内容になっています。つまり、預け量が制限枠を超えた分は翌月以降に持ち越せず、8円/kWhになってしまうのです。これでホンマにお得かどうか。

(注記)預かりサービス(関電では貯め得)はソフトな蓄電池を制度設計の基本としているため、高めの利用料でもハードな蓄電池を設置するより安価です、という大手電力会社側の思惑が透けて見えます。

各家庭のソーラー発電能力はそれぞれ。発電能力と使用電力がトントンの家庭もあるでしょうし、発電能力が大きくたくさん売る家庭もあるでしょう。1年前に私が指摘したように利用料が高いと預けても意味がないケースがたくさん出てきそうです。

ちなみに、拙宅では蓄電池を設置してソーラー発電の自家消費を増やし販売電力を低めに押さえています。このため、ソーラー電力の販売は20〜200kWh前後、50kwhを切る月が約半分(2018.8〜2019.8時点)。試算すると大阪ガスと電気契約して売り買いする方が年間で数千円お得でした。大阪ガスで電気を買う場合、ソーラーは9円/kWhで買ってくれます(関電は8円)。おまけに大阪ガスは非原発企業!

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さて、私が20年前にソーラー発電を導入したのは「できるだけ原発電力を使いたくないから」で、自分で電気を作ればその分の原発電気はいらないと考えたから。さらに、2015年に蓄電池を導入したのも同じ流れで、商用電力の購入を少しでも減らし、原発の再稼働や新設はいらない、というささやかな意思表示でした。

原発を稼働していると何が起こるのか、2011年の東電原発事故で皆が理解したはず。その後、2016年には電力自由化が始まり、誰でも自由に電力会社を選べるようになりました。つまり、あなたが原発に反対なら原発推進会社から電気を買う必要はどこにもありません。

こちら、ソーラー電力の売買の関係で今まで動けませんでしたが(*)、今回、余剰電力買取サービスが明確になったことで関電との柵みを裁ち切り、大阪ガスと電力契約をむすぶことにしました。経済的にもこちらがベターですから尚更です。

世論では国民の約半分が原発稼働に反対とか。ならば、非原発電気を供給する会社へ替えましょう。電力会社の変更には電力会社前の座り込みやデモもいりません。これこそシンプルで、老若男女誰でも可能な原発反対の意志表示であり、愚かな事業会社に対する不買運動でもあります。面倒くさいから止めておこうなんて考えないで下さい。その手間は安全な未来のため、これからの人たちへのプレゼント。一軒に1つできる、このチャンスを是非活かしましょう。

(*)ソーラー発電の余剰電力を買ってくれる業者が「自由化」されるのは今年の10月以降(FIT終了後)。