FreeStyleリブレ 9月から実質的価格改定
2017/09/05
.Lowcarboあるいは糖質制限 FreeStyleリブレ SMBG
先日FreeStyleリブレが9月から保険適用されることに触れましたが、9月になって発表された価格表をみると実質的に安くなっていました。本サイトでも指摘していた問題点を何とか価格改定で解消したいというメーカー側の試みがみえてきますが、それはそれとしてユーザーサイドにはウエルカム。それにしても、日本糖尿病学会が7月に出したFreeStyleリブレに関する見解はわかりにくい。その背後にあるのは関連業界への配慮ではないかと思う次第。(間違い訂正 10:53)
(注記) 検索などで訪れた方々へ、下記の情報は既に古くなっています。最新のまとめである、FreeStyleリブレで分かったこと(私見の最新バージョン)はこちらでどうぞ。
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アボットジャパンは今回の保険適用に遭わせてFreeStyleリブレの価格改定を発表しました。正確にいえば、価格そのものは従来のままにして、センサーのまとめ買いや実血液測定用のストリップ(センサー)との抱き合わせ販売によって実質的な価格ダウンを図ったというわけです(以下の一覧表参照)。
これは安い。これまではセンサー1コで7089円(税抜き)、読み取りリーダー1コ7089円(税抜き)だったのが10個買うなら59800円で、一個5980円。でも、個人ではリーダーたくさん持っても仕方ありません(苦笑)。センサーの方は単体ではなくSプレシジョン用のセンサー付で安く設定されています。
なぜ改定されたのか。思うに本サイトでも指摘してきたように、FreeStyleリブレ初日から2日目にかけての信頼度が低く、その間はどうしても従来のSMBG(リアル血液の穿刺測定)に頼らなければなりません。その問題点を解決するためにFSプレシジョン用のセンサーとの抱き合わせを考えた、つまり、リブレのデータが安定するまでは実測定で行ってね、という配慮です。FreeStyleリブレはFSプレシジョン用のセンサーでリアル血を測定するモードを備えているので、今回の抱き合わせは妥当な対応であり、私は大歓迎です(拍手)。
使ってみればわかりますが、一度FreeStyleリブレを使えば手放せません。遊びで使うならともかく、毎日の血糖値を知りたい者にとっては現段階でこれ以上のものはないでしょう(コストと能力を考慮)。とすると、従来のSMBG機器はどうなるのか。
思うに、この画期的な血糖値測定器が出てきたことで従来のSMBG測定器(自己血糖測定:穿刺で実血液を採取して測るタイプ)は影が薄くなってしまったのではないでしょうか。他のメーカーが同様の商品を出すのか出せるのか私にはわかりませんが、これは関連業界にとっては頭が痛い。というのも、血糖値測定そのものが大きな医療利権になっているからです。
そんな中、先々月日本糖尿病学会が門脇理事長名で出した「FreeStyle Libre に関する見解 」(2017.7.12)が興味深い内容で、FreeStyleリブレはどうしても認めたくないという姿勢がミエミエ(追記)。要するに、「本品は必ずしも SMBG の代替となる性能は有していない」ので、従来の血糖値測定に付加的に使用することを考えよ、というものです。これは変ですね〜。
本サイトでも指摘してきたようにFreeStyleリブレには問題がいろいろあり、従来のSMBGに完全に取って代わるような状況ではありません。この件に関しては日本糖尿病学会の言い分通り。でも、それはいくつかの対処で対応できるし、患者側の負担を考慮すれば将来はFreeStyleリブレのような機器が主流になるだろうと考えるなら、従来のSMBGを中心に話を進めるのには何か意味があるのでしょうか。
思うに、この日本糖尿病学会の言い分の背後には従来利権の擁護がニオイます。どういうことか。日本の血糖値センサーは海外に比べて値段がかなり高く設定されています。聞けば病院や医療機関には安く入っているとのことなので、その差額は関連機関の利益。日本の糖尿病患者の数を考えると、これはデカイ。とすると、FreeStyle Libreのような利益の薄い機器はいくら画期的だからといっても内心ウエルカムではありません。
つまり、FreeStyleリブレは「SMBG を代替するのではなく補うという位置づけ」だと強調することで、日本糖尿病学会は関連業界の利権をぶち壊すような診療行為を決して採りませんよ、こちらが時間稼ぎしている間に対応よろしく、と宣言しているような感じ。流石、科学的な根拠を持つ糖質制限を未だに認めない日本糖尿病学会というべきところ(皮肉です)。
(追記)門脇理事長の名前を見た時思い出したのが論文盗用問題。現在東大で審査を受けているはずですがいったいどうなっているんでしょうか? まぁ医学部教授の論文盗用事件は医療産業との柵みなのか頻繁に起きており、名前が上がっても事実認定されても全く意に介さない人たちが多いのが哀しい現実。