ブラックスーツ
2017/09/07
昨年ブラックスーツを1つ誂えました。糖質制限でサイズが大幅に変わってきたので以前の喪服が合わなくなってきたし、これから使う用事も増えてくるだろう・・・、そんな理由でした。でも、その黒服を最初に使ったのが弟の葬儀だったのは予想できませんでした。今回は久しぶりのファッションねたです。
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ブラックスーツは喪服ではない。そう思った人へ。たしかに喪服は染色が違うとか、単なる黒服では礼儀を失する等々と云う話がこの国にはあります。でも、それはセルサイド、つまり売る側の人たちの理屈であって日本以外ではまず意味がありません。大切なのは故人を偲ぶ姿勢なので服飾の細かい点はもっと自由でいいのではないでしょうか。
ということで、私は昨年黒色の生地でブラックスーツを誂えました。使った生地はロロ・ピアーナのfour seasons。寒い時にはコートを羽織ればいいので、だいたい年中使える素材です。カスタムオーダーで値段も安め。
ふだん私、スーツは着ません。ネクタイもなし。ジャケットを羽織るシーズンには、シャツの上にセーター、その上にはダウンのジャケットかゴアのアウトドアジャケット。サラリーマンの方々ではそうはいかないでしょうが、自由業ならでは。
それでも然るべき場所に出かける時にはジャケットやブレザーを着ますから、数着は持っていました。いましたと過去形で書いたのは、糖質制限で体のサイズが変化したため、それまで持っていたものが全滅したからです(苦笑)。
糖質制限のおかげで首回りは3cm減、バスト回りも背中の脂肪がとれたせいかかなり減り、ウエストに至っては91cmだったのが76cm〜79cmでもゆとりがある位。これじゃ今までも持っていたのはダブダブ。シャツは作り直してきましたが、ジャケットは値が張るので簡単には手がだせません。
中学・高校時代の体型に戻ったので標準仕様の衣服でもいけそうですが、袖丈や桁丈を直す位なら誂えるのも選択肢。そこで生地そのものから再考してみようと考え、昔憧れだったイタリア生地のゼニアやロロ・ピナーナなどに手を出しました。作ってみると、この手のものはホンマに着心地が素晴らしい。噂通りというべきところで納得。
それにしても、昔はちょっと手が出せないような価格帯だった生地が、ここ20数年の円高デフレのせいなのか、最近は随分リーズナブルなお値段になりました。そんな生地を使うアパレル店もTommorow landのメンズ然り、麻布テーラー等々いろいろ。
お値段は昔のテーラーで誂えるのに比し、半額程度といえば大体そんな感じでしょうか。もちろん手縫いか機械縫い、あるいは海外か国内縫製かでコストは随分違います(念のため)。従来のアパレル産業には受難というべきなのでしょうが、これだけ世界がグローバルになってくると以前の利権構造に甘んじていた者は淘汰されてしまいます。そんなところにも「時代は変わる」を感じますね。