Garminで心拍数の計測 その2

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なにゆえ心拍計を使うのか。アスリートなら効率の良いトレーニングのためだったり、耐久力・持久力の育成だったりするのでしょうが、私の場合は血糖値の上昇を抑える歩き方を身につけるため。
最近の歩き方研究などによると少しばかり早歩きするのが良い、歩き方は心拍数のモニタリングでチェックできるとのことだったので関心を持った次第です。

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いまから始める心拍トレーニングBOOK炭水化物を食べて消化すると血糖値が上がります。インスリンの分泌に問題がなければ速やかに血糖値上昇が抑えられ安定値に戻るはずが、膵臓機能が低下していたり肥満などでインスリン抵抗性が強くなっているとこれが上手くいきません。ひどくなると糖尿病になり、失明、透析の憂き目、手足の切断あるいは狭心症や心筋梗塞に繋がるのは云うまでもありません(が、軽視している人が多いので繰り返します)。

血糖値の上昇を防ぐには炭水化物の摂食を減らすのが一番。でも、野菜にだって炭水化物が含まれているのでゼロにするのはほとんど無理。となると、次に考えるべきは血糖値の上がりにくい食品を選ぶ、食べる順番を考える、時間をかけて食事する等という方法です。加えて上がった血糖値を抑えるためにウォーキングというのも有効な手段です。糖質制限食だけで決着がつくと考えるのはあまりにも安易だと私は考えます(きっぱり)。

そのウォーキングですが、どういう歩き方がいいのか。私の場合、数年来毎日ウォーキングしてもたいして効果は感じられないし、歩き方に工夫がいるのではないかと思っていました。ここで登場するのが心拍数。体への負荷をチェックしながら歩けばよいとの話を聞きつけ、心拍数計を手に入れたというわけです。

ヒトの心拍数というのは安静時で60前後。一方、最大心拍数は年齢で変化するらしく、220 マイナス 年齢 で計算できるらしい。したがって私の場合、最大心拍数は160。でも走ったりするともっと大きな値が出るので計算値はおおよその目安です。(注)

 

「いまから始める心拍トレーニングBOOK」によると、トレーニングを考える場合この最大心拍数は重要で、エクササイズのレベルを最大数との比較で評価すると以下の通り。

 最大心拍数    効果
 50~60%  運動不足解消、体力の回復
 60~70%  持久力向上と脂肪燃焼
 70~80%  有酸素運動能力の向上
 80~90%  運動能力の向上
 90% 〜  瞬発力向上

自分自身の心拍数を測ってみると、普通に歩く程度では80くらいで半分程度、1km10分以下の早歩きなら心拍数は120〜130に上がってきます。併せて血糖値を計りウォーキングとの関係を調べてみると、歩かないより歩いた方がベター、でも効果はあるのかなぁというのが率直な印象でした。ところが先の例でいえば60、70%の負荷をかけてやると血糖値はぐっと下がり、大きな効果がありそうな感じなのです。

血管を強くする歩き方: パワーハウス筋が健康を決める当方スポーツトレーニングが目的ではありません。ウォーキングが血糖値の上昇に対して有効か否か、有効ならどんな歩き方がいいのか、この点のみ。そこで、さらに調べてみると面白い本を見つけました。それが木津直昭、稲島司著の「血管を強くする歩き方」(東洋経済新聞社 2014)です。

タイトルからもわかるように、ウォーキングと血管の健康状態を結びつけたもの。誰でも血管は年齢とともに老化するが、血管に負荷をかけるような運動をすることで老化を遅らせる、つまり若さを保つことができるという内容です。

著者らの説明では激しい運動は血管を締め付け血圧を上げてしまうからダメ、適度な負荷というのがポイントで、その目安は心拍数が110〜120の有酸素運動。一方で、ちょっと歩くくらいの低強度な運動ではあまり効果がないとの解説は私の数年来の疑問を解消するかのようです。納得です。

具体的には1日8000歩、20分の「早歩き」が大切。そうすれば、血圧や血糖値を下げる効果が期待できるとのこと。また、心拍数を測るのは体や血管の状態を知ることであり、「早く歩くことを意識し続けるためのモチベーション」になると説明しています。

 

たしかに糖尿病の諸症状は血糖値の上昇で作られるAGEs(終末糖化産物あるいは糖化たんぱく質)が血管を傷つけることで起こるとされているため、ローカーボ食(糖質制限)で血糖値を抑えるだけでなく、血管の方も鍛えるのがベター?!という意味で理にかなっています。詳しく知りたい人は是非上記の本を手にとってみて下さい。

さて私が使っているのはGarminの計器ですが、2,3週間も使えばウォーキング時の心拍数のプロフィールは大体掴めます。ある程度自分の心拍数が把握できれば、それ以後は必ずしも心拍計が必須というわけではありません。もし継続して使う利点があるとすれば、ウォーキングによって心拍数が低めに安定化していく、つまり血管が強くなっていく過程をフォローしていくことかもしれません。これはこれで楽しみですけどね。

とりあえず、リスト装着型心拍計と血糖値の測定から得られた結論は、ただ歩くだけでなく早歩きを混ぜて歩く、それが血糖値上昇の抑制に効果があること。ただし、この見解は厳密には科学的手順を伴ったものではなく現時点における個人的見解ということでご理解下さい。

心拍数の変化(ある日の私の例)

心拍数の変化(ある日の私の例。160超は80段の階段を駆け登った時のもの)

(注)
既に触れたように「寿命は違えど心臓が鼓動する回数はどちらも一生で約15億回」という研究がありますので、ヒトの生物学的な寿命は高々50年。現在80歳過ぎまで寿命が延びているのは医療の発展や環境が良くなったせいでしょう。