大本営なNHK

.opinion 3.11

stone14023.11以降、大本営放送の姿を顕わにしてきたNHK。先日の都知事選でもそうでしたが、会長自ら就任会見で「(大本営は)その通り」と明言しちゃいました。恥ずかしい。とってもとっても恥ずかしい。そして恐ろしい。ついでに、NHKが報じなかった東電関係のニュースも追加しておきましょう。

・・・

NHKの籾井勝人会長は東京・渋谷の放送センターで開かれた会長就任の記者会見で、尖閣諸島問題に触れた後、NHKの放送方針について以下のように説明しました。

政府が『右』と言っているものを、われわれが『左』と言うわけにはいかない。国際放送にはそういうニュアンスがある。 出典は共同通信

とのこと。

もし籾井会長の云う通りなら、NHKは報道機関ではなく、国の広報機関でしかありません。いわば、NHKは戦中の大本営放送と同じ役割だと説明したのと同じ。そのまんま、右傾化する国や安倍政権に従って放送をしていこうという意味にダブって聞こえるのは私だけではないでしょう。

そこには、権力に対置し監視するというジャーナリズムの精神もそのかけらもありません。いったい誰のための放送なのか、少なくとも庶民の側ではありません。庶民は放送料を払えばよし、あとは国家の云うことを聞いておけ、という宣言です。恥ずかしさで呆れてしまいました。

sannpomiti1402この大本営宣言の前に籾井会長は慰安婦問題でも独自見解(妄言)を披瀝し、国会で追及されていました。その件では山口正紀さんが厳しく追及しています(週刊金曜日978号(「安倍一族」の広報機関か 2014/2/7)。その中で山口さんが指摘するように、この籾井問題、新聞では朝日・毎日・東京新聞だけが問題にし、社説で退陣を求めたのは東京新聞だけという有様でした。

当事者のNHKが籾井会長発言をなかったことにしようとしているのはまぁ理由がわかりますが(皮肉です、念のため)、他のメディアが黙っているのはNHKの右旋回・大本営化を歓迎している証拠でしょう。イヤな時代になってきました。


もう1つ。NHKが報じなかった東電絡みのニュースについて。今年元旦に東京新聞が東電の隠し口座を報じていました。

東京電力が海外の発電事業に投資して得た利益を、免税制度のあるオランダに蓄積し、日本で納税していないままとなっていることが本紙の調べでわかった。投資利益の累積は少なくとも二億ドル(約二百十億円)。東電は、福島第一原発の事故後の経営危機で国から一兆円の支援を受け、実質国有化されながら、震災後も事実上の課税回避を続けていたことになる。(桐山純平) 出典は東京新聞2014年1月1日

私たちの税金で生命線を保っている東電が裏では海外に隠し口座を作って納税逃れをやっていたのです。私は2月になって週刊金曜日か、どこだったかで知ったのですが、調べてみると東京新聞以外にはなし。当然ながら、NHKにもありませんでした。

これは一体なぜなのか。東電以外の他の大会社も、ひょっとすると大メディアのほとんども同じくやっているからではないのかと勘ぐりたくなってしまいます。それにしてもメディアの不甲斐なさは困りものですね〜。

ポスト3.11の今日、大メディアには日本の原発推進にとって都合の悪いモノはやめようという姿勢が顕著です。クチを酸っぱくして、要注意。

roof1402