またまた出てきた、想定外
2014/02/20
先週末記録的な大雪に見舞われ、山梨ほか各地で被害が出ました。でも、それを想定外というのはちょっと変。昨今の大雨を考慮するなら、雪だって大きく状況が変わるはず。そう考えないとしたら想像力の欠如。3.11以降、「想定外」という言い訳が闊歩しています。とくに行政とその追随メディアが「想定外」という時には要注意。
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先週末金沢へお寿司を食べに行くため、最寄りのJRに乗ろうとしたら強風で特急列車は路線変更、普通車も強風地域以北は運行停止とのこと。あっちゃ〜〜〜。どないしよ。
もともと雪道がこわいのでJRを使おうとしていたのですが、急遽、車に切り替えて金沢へ向かうことに・・・。滋賀県北部から福井にかけては雪景色でしたが、道は問題なし。むしろ昨年同時期より高速道路は走りやすいくらい。目的の金沢に着くと雪はなし。でも、それは関西や北陸の話であって、ご存じの通り山梨などでは全く違った様相でした。
大雪が降るのは天候の問題。あれこれ云っても仕方なし。大雪で道路が使えなくなったり、物資が届かなくなったりするのは厄介なので、そんな面倒事を「想定」の外に置いて、滅多に起きないとか起きるはずはないと切り捨ててしまいがちです。でも、それは理論的な「想定外」ではなく、やるべきことから逃げているだけ。
道路に雪が積もると車は走れません。除雪するか雪が融けるまで待つしかありません。驚いたのは、雪が降る地域なのに除雪車がほとんど用意されていない場所が全国にたくさんあること!
毎日新聞2月17日版によると、「道路の除雪が追いつかなかったことなどにより、全国の13都県で少なくとも6057世帯7951人が孤立」したのこと。また、「埼玉県秩父市は保有する除雪車が1台だけで、これまで同様、建設・土木48業者に除雪を依頼」していたらしい。業務の外部委託はわかるけど、単に責任を外部に振っただけではなかったのか、非常時の想定はどこまで行っていたのでしょうか。
また、統計開始以来の大雪だという山梨県にも除雪車の用意が不十分でした。山梨には雪が降らないのかなぁと調べてみると、過去の降雪量では全国17位。全く雪が降らない場所でもありません。むしろ、降る方でしょう。だとすると、山梨県は雪に対する警戒を怠っていたということ。つまり県の言い分は予想外を想定外に言い換えただけの言い訳にしか過ぎません。
先日来、私が指摘してきたように、
台風や大雨に関する様々な状況が大きく変化してしまい、過去の指針や判断基準がほとんど役に立たなくなってきたのではないのか。つまり、もう既にルールが違う試合をしているようなものなのではないのでしょうか。・・・「最近の大雨を過去の基準で測るな!」
どうやら天候変化は常態化してきたようです。
この国の大雨や大雪等の天候変化に対する備えは40年前50年前の事情に合わせたものですから、その想定が変化してきた現在、対処できないのは当然です。でも、今後新たな対策を打ち出そうとしたら最低でも5年や10年の歳月はかかります。大きなお金が動く事業なら尚更です。それまでの間、「想定外」を受け入れる覚悟がありますか?
一方で、行政任せが異様に昂じると行政権限の肥大化と税金の大幅アップに繋がります。対策遅れで大金喰いの行政任せの前に私たち自身ができることは何か、それでどこまで対処できるのか、一人一人が模索していく必要がありそうです。厄介な時代ですね(ホンマ)。