9.11 シリア 化学兵器

.opinion

flwr13911aロイターによると、「シリアの反体制派スポークスマンは、10日当地で記者会見し、米国がシリアの反体制派に対する武器供与を開始した」とのこと。米国の望みは内戦激化なのか。反政府側にはアルカイーダ系「ヌスラ戦線」もいるので、米国の武器は宿敵にも供与されることになるんじゃないのか! ドンパチ好きな米国はもうメチャクチャです。

そんなことを考えていると、今日は9.11。あの日のことを振り返りながら、シリアのことを少し考えてみましょう。

・・・


9.11がやってくると、ある記憶が甦ります。金大中さんを目前に見た話です。

あの日2001年9月11日、私たち夫婦はソウルにいました。前日晩、急遽金大中大統領が護衛とともに新羅ホテルにやってきたので、ホテルから出るのをしばらく留められてしまって難儀しましたが、後から考えると新羅ホテルのどこかにあるというVIPシェルターにやってきたのかもしれません。

想像を絶する9.11の衝撃は今更私が云うまでもありません。ただ、あの事件がアルカイーダやビンラディンが犯人であるという米国の言い分には全く賛同できません。いくら考えてもおかしなことだらけだから。

墜落した旅客機の証拠をほとんど隠蔽した米国政府。フライトレコーダーすら出てこないのはなぜなのか。また、アルカイーダの犯人と目された人物が今でも逮捕されずにいる事実、ツインタワーとは別の第五ビルが爆発崩壊したのは何故なのか、ペンタゴンの穴が旅客機のサイズと全く整合しないこと等々数え切れないくらいの不明点から、あの事件の真相は闇の中にあるとみるべきところ。

今回の武器供与にしたって米国の兵器がアルカイーダ系にも流れる危険性があるのですから、9.11アルカイーダ犯人説というのが奇妙に、そして疑わしく思えます。

flwr13911c隠すといえば、シリアの化学兵器の件もそうです。誰が、どんな化学兵器を使ったのか、いまだに明らかになっていません。米国は証拠があるといいながら明らかにできません。政府側なのか、それとも反政府側なのかも不明だし、米国CIAやロシアFSBが絡んだ話なのか、フランスもいっちょかみしていそうな雰囲気です。

この点は国連が調査中とのことですが、非公式にはシリアの化学兵器とは云えないのではないかという話も欧州では飛び交っています。だからこそ、英国では武力行使が否決されたわけで、日本では米国追随の報道ばかりなのはマスメディアが不甲斐ないせいでしょう。

問題の化学兵器はコロコル剤ではないのかという話もあります。ロシアがチェチェンテロリスト(と称する者たち)に占拠された劇場に突入した時に使用した化学爆弾がそれ。ややこしいことに、政府が暴動征圧の時にこの化学爆弾を使うのは例外規定となっているので、これであればシリアに対し化学兵器使用を責めるのはちょっと難しい。

ロシアがシリアを庇うのは米国攻撃を食い止めるのに重要な役目を担っていますが、翻って考えるなら、シリアで使われたのがロシア系コロコル剤なのかもしれないという推測もできてしまいます(根拠なしです、念のため)。

もともとシリアは化学兵器の使用に関する国際条約を批准していないので、国際法上その責任を問うのは困難です。そういう意味で、シリアの化学兵器を国際管理下に置くというロシアの新提案はなかなか妙案でした。ついでにいえば、イスラエルも批准していないので、そっちもちゃんとやってねと付け加えておきましょう。

かくもシリアの化学兵器絡みの話はややこしい。米国追従のNHKや大新聞だけでなく、欧州系のメディアも可能なら覗いてみて下さい。

(シリアの化学兵器に関しては、JMMに掲載されたハーグ在住・化学兵器禁止機関(OPCW)の春 具氏のレポート等が出典)

flwr13911b