Q10その2 58歳のレンズ

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ume3Q10のレンズはQマウント。これはPENTAXの独自仕様ですが、アダプターを使えば昔の8mm映写機のレンズが使えることは先に触れた通り。

Q10を手に入れた理由の1つが昔のシネマレンズを使ってみようと考えたこと。早速オールドレンズの1つ、ニコンのCine-NIKKOR 38mm/F1.8を付けてみると、その写りにびっくり。解像感だけなら、現在のニコンレンズどころか、ライカのズミクロン50とタメを張れますね、これ(ちょっとオーバー?)。

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cineNbCine-NIKKORは名前の通り、ニコンのレンズなんですが、つけられていた映写機は瓜生精機というメーカーのCinemax 8で、ニコン製ではありませんでした。レンズ径、約23mmの大きな印鑑みたいなサイズでしかありません。たまたまルミエールさんに出物があったので注文。

このレンズ、1955年前後のものらしく、推定58歳。私とほぼ同じ年であることに愛着を感じます。それにしても、この頃の日本製品は質がいいのでしょうか、ヘタリはなく、レンズには曇りやカビはありません。

驚いたのはその解像度。8ミリレンズの38mmは、Q10につけると約210mmの望遠レンズとなります。一眼レフなら手振れなどを気にする焦点距離になりますが、Q10につけると軽く持ちやすいので、シャッター速度さえ確保できれば手持ち撮影ができます。これもQ10ならではのポイントです。

三脚なしで望遠撮影というのはなかなかオツなもので、先の梅の写真も手持ち撮影でした。モノクロにするとよくわかるんですが、蕾の萼の産毛まで写っています。昔のニコンレンズってなかなかのものだったんですね〜。凄いなぁ。掘り出しモンにラッキーでした。

その他、このレンズを試し撮りをしたのを少し。

Cine-NIKKOR 38mm/F1.8

Cine-NIKKOR 38mm/F1.8

うちにある彫刻家の今井廉さん作の「くぎぬき地蔵」。釘の質感がちゃんと写し出されています。

Cine-NIKKOR 38mm/F1.8

Cine-NIKKOR 38mm/F1.8

上は近くの駐車場入り口ゲートですが、58年前のレンズとはとても思えないシャープさです。そして、これまた錆びの感じがよく出ています。レンズも人も年は関係ないということなのでしょう、きっと。

なかなか楽しいQ10ですわ。って云っても興味のない人にはみな同じような写真に見えるかもしれません(苦笑)。それでいいんですけどね。