タイ その9 グローバルなThe Chedi

.Travel & Taste

チェンマイではThe Chedi Chiang Maiというホテルに泊まりました。これがなかなか面白い宿で、広い敷地に宿泊棟、レストラン棟、スパ棟、フィットネス棟等々を配した、ゆったりした佇まい。これだけならリゾートホテルそのものなんですが、必ずしも外部と縁切りにしているわけではないところがユニーク。建築家のデザインが光っています。

(追記)私が泊まった数年後運営会社が変更され、現在はアナンタラチェンマイリゾートという名称に変更。宿泊プロモーションも変更され、(最近の傾向もあり)値段はさらに高いホテルになってしまいました。ご用心。

日本でいえば、「べにや無何有」みたいな宿ですが、The Chedi には温泉なし。でも、「無何有」をスケールアップして、旅館をホテルにしたものといえば近いかもしれません。ビックリしたのは使われる言葉がすべて英語。中にいるとコスモポリタンな感じになってしまいます。

・・・

このThe Chedi では英語がまるで公用語のように使われています。部屋の設備の説明書きなども全て英語のみで、タイ語はいったいどこに消えたのかと思う位。もちろん、タイ語を使う客がいればタイ語で話をするのでしょうが、チェンマイの物価から考えるとThe Chedi に泊まるのはほぼ100%外国人なのかもしれません。

この宿にチェックインしてしばらくすると、なぜかしらユニクロや楽天のことを思い出してしまいました。おそらく、The Chedi は、どこの国のどんな民族の人でも英語さえしゃべれば大丈夫という世界マーケットをターゲットにしているのでしょう。グローバルな展開とはそういうものだと改めて実感。

 

このホテルはコンシェルジェ方式を採用しています。何でもフロントに聞いてね、というわけ。さらに、クラブスウィートにはホテルフロントとは別建てのフロントがいて彼らがコンシェルジェを務めます。このシステムを使いこなせるなら、実に快適な宿泊生活が送れます。ここでも英語が基本です。

私たちは3日間+のチェンマイでしたので、1日は料理スクール、もう1日はドーイ・スティープ寺院見物と考えましたが、その他はどうするのかと思案していました。ホテルに着いてからコンシェルジェにいろいろ聞くと、お薦めに「サンセット・クルーズ」なるものがあるのを知りました。

夕刻にホテル近くの船着き場を出発して、上流のハーブガーデンまで川を上り、暗くなってから川を下って戻ってくるという、それだけのプライべートクルーズなんですが(2人貸し切り)、船ではシャンパンとカナッペを楽しみ、戻ってからホテルのディナー。圧巻はチェンマイ名物のランタン飛ばしが最後に控えています。こりゃ面白そーです。で、予想以上に面白かった。

ちなみに、ハーブガーデンは「ランボー4」の舞台になった場所ですが、数年前の洪水で浸かってしまったため、レストランなどは今年末の再開をめざして改装中でした。

 

ところで、クラブスウィートは部屋面積が105平米! 低層で窓からの景色も緑いっぱいです。ランドリーも1日7つまではフリーとなっており、暑い国での滞在を快適にする工夫がなされています。おまけに、毎日18時から20時はハッピーアワーと称してお酒やカクテル類がタダ、特製のカナッペ(付きだし)まで出てきます。これで軽くデキ上がってしまいます(苦笑)。後はホテルで夕食をとるなり、外に出かけて徘徊するなり自由です。まさに優雅なホテルライフというわけで、いいですね〜。

The Chedi チェンマイは部屋の広さから考えると、デラックスルーム(50平米)で十分ですが、他の付帯サービスを考慮すれば、クラブスウィートがお薦めです。現在、2日泊まれば3日目はタダというプロモーションを行っているので尚更です。

レストランも特筆もの。本場タイ料理をはじめ、インド料理、グローバル料理(イタリアンとか日本風のフュージョン?)とメニュー分けされていて、それぞれお好みに応じて選べます。でも、ワインやシャンパンの値段はグローバル価格なので要注意。物価の安いタイではきわめて高く感じられるのは仕方ないところです。

チェンマイではローカルな麺屋さんからタイ料理専門店までいろいろ楽しめますが、きちんとしたレストランでタイ料理をというならThe Chedi のレストランもアリでしょう。

The Chedi を擁するGHMホテルグループは1992年スタートの新進勢力。アマン系の資本が入っていることから考えると、超お金持ち対応のアマンホテル群とは違い、セカンドラインを狙ったホテル経営なのでしょうか。ウブド等でも超人気ホテルを経営しているし、今後の展開や発展が注目されます。

それにしても、なかなか面白いホテルでした。ホテル全体の設計、部屋の設え、お客に「オッ」「なるほど」と思わせるサービス、加えて英語を基本にしたグローバルサービス。これからのホテルの姿を垣間見せてくれるサービスを堪能できたのは今回の旅の大きな収穫でした。

ところで、ランタン飛ばしといえば、チェンマイを舞台にした、小林聡美さんやもたいまさこさんらの「プール」(大森美香 監督)に象徴的に登場します。その印象があったので尚更自分で行ったのは感無量。