タイ その5 トンカーオ

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日本のガイドブックに載っているようなお店ではなく、ローカルな人が行くような、それでいてきちんとした佇まいで美味しいレストランはないものか。そう思ってネットを彷徨っていると、バンコクナビに紹介されていたのが「トンカーオ」。これはヒットでした。

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9月はバンコックではまだ雨期。毎日15時過ぎになるとドシャ降りになりました。2時間もすれば止むのですが、夕方出かけるのがなかなか億劫になってしまいます。夕食をどこにするかと考える時にも雨と夕方の交通渋滞がけっこう心理的に影響してくるのはテンポラリーな旅人の宿命かもしれません。

目的のレストランに最寄りのBTS駅はチョンノシー。通勤帰りの人たちに混じって満員電車を降り、北方面へ歩くこと約7〜8分。ビジネス街の大通りに明々と看板が出ていました。入ってみると、清潔な感じの普通の定食屋さん風です。

予約の時にも英語が通じないので大丈夫かと思っていましたが、店でも英語がほとんど通じません。当然日本語もアウト。でも、モーニング娘。の飯田圭織さんに似たお嬢さんが少し英語がわかるらしく、他のウエイトレスが困った時は助け舟を出していました。まあここは夜はガラガラなので予約なしでもオッケイでしょう(苦笑)。

まぁ、食欲は万国共通。食べたいものは何とか伝わるというのか、さほど困った状態ではありません。むしろ、英語も日本語も通じないことに密かな快感があるくらい(笑)。注文したのは、トートマンプラー(えび団子揚げ)、豚肉サテ、空心菜の天ぷら、トムヤムクン、カオパット(焼飯)です。

トムヤンクンはタイではどこのお店でも定番です。辛いのもあれば、それほどでもないのを出すお店もあります。どれも同じというわけではありません。ベースになるペーストは石臼で叩いて作りますが、それぞれのお店で使う材料に違いがあるようです。

つまり、その時の辛子の調合や使う材料のわずかな違いが最終的な決め手になります。パクチー(コリアンダー)やタクライ(レモングラス)はいわずもがな、日本では手に入らないマクルート(コブミカン)のピールが絶妙です。「トンカーオ」のトムヤムクンは私の知らない味わいが混じっている上に、あさっりして滋味な感じが二重丸でした。ここはさほどホットでもないのがさらにいい。


「トンカーオ」、良いお店です。カニなどを頼まなければ、二人でお腹いっぱいに食べて600バーツ程度(アルコール別)。食後帰る時には先の彼女がタクシーとの交渉を引き受けてくれて楽しました。

気持ち良く食事できることは簡単なようで難しい。豪華なお店でもないし、際だったエッジがあるお店とも言い難いのですが、客商売の一番の基本がこのお店には備わっています。バンコックにまた行く機会があれば、また行きたい処です。

現地地図はこちら。入り口は北側の大通りに面しています。