もうすぐ文月 ライフスタイルを見直す夏

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文月(ふみつき)は旧暦時代の7月の名前。七夕は旧暦の7月7日ですが、7月7日を新暦で扱う地方と1月遅れの8月7日とする地方に分かれています。という蘊蓄はさておき、今年は湿気や暑さも例年とは違うみたいで、梅雨明けはいつになることやら。

さて、皆さんは今年の夏を乗り切る工夫について、もう考えてみましたか。準備はお済みでしょうか。

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関西電力は大飯原発を再稼働させることで、節電要請を15%から10%に下げると云っています。先日来お伝えしているように、電力が不足するのは(関電や当局の言い分が正しかったとしても)わずか58時間だけの話であって、今夏全部の日が電気が足りないわけじゃない。だから、一律に何%と云うのは実に奇妙な話ではありませんか。

先日の株主総会でも明らかになったように、電力会社には3.11の反省が全くありません。あれだけ多くの人たちの人生をメチャクチャにしても、想定外の事態を考慮しようという考えはこれぽっちもないようです。最悪の事態が起きなければいいのですが、そんなのにつき合っていたら未来はありません。私たちは私たち独自の道を切り開くことで、脱原発の道を築き上げていくしかないのです。

まず、一般家庭の電力は10%とか15%くらいなら簡単に減らせます。エアコンを少し控えるだけで十分でしょう。ピークに当たるとされるお昼から夕刻の時間帯を減らせれば尚よし。暑くてかなわん、熱中症になったら困るという家庭なら、午前中に家を少し余計に冷やしておけばいいのではないでしょうか。

でも、それは対症療法みたいなもの。本質的には、家庭で使う電気機器の消費電力を減らし(白熱灯や蛍光灯からLED電球に変える等、省エネ型機器に変更)、使用時間そのものを少なくする暮らし方を身につける、あるいは電気から別の熱源に切り替えるなどによって、さらに2、30%は減らせるはずです。

その方法はご家庭でいろいろでしょうから、それは横において、心理的な暑さ対応、つまり涼しさの演出というのも考えてみてはどうでしょう? 面白いですよ〜。

エアコンや扇風機もなかった昔の人たちは、暑さにうだる毎日でもその強さを和らげ、または気を紛らわすことで乗り切ろうとしてきました。風鈴や打ち水、あるいは簾やヨシズのようなもので物理的に暑さを抑えるといった工夫がそれです。

そんなこと知っているって? そうですね、そうでしょう。では、さらにもっと知恵を絞ってみてはどうでしょうか。

たとえば、エアコンの室外機に直射日光が当たっているのなら、排気の邪魔にならないようにヨシズみたいなもので日射を遮れば、エアコンの使用電力は落とせます。窓からの直射があるなら、やはり簾やヨシズ、あるいは洒落てオーニングなんてのも効果大。

また、暑さは体感温度で決まるので、同じ温度でも湿度を減らすと随分涼しく感じます(カリフォルニアの暑さが思ったよりきつくないのはそういう訳)。エアコンを使う場合でもそれほど暑くなければ除湿機能だけっていうのもありでしょう。

扇風機を使う場合でも風通しをうまく促進できるような方向で活用すれば、直に風をかけるのとは違った効果が期待できるでしょう。(夜外気が冷えた時には効果大)

数年前から緑のカーテンなんて云って、ゴーヤ等の蔓性植物で窓を覆うというのが流行っていますが、これはなかなか効果的で天然の簾となります。  ・・・・・

考えてみると、侘び寂び、風流の極意が暑さ対策の基本だったりします。それに加えて、現代的なアイデアを駆使し、いろんなことを試して自分自身の改良を組み合わせていくと、風鈴の音色にも涼しさを感じる位にあなたの感覚は鋭くなっていくことでしょう。請け負います(きっぱり)。涼しさの演出を考えるのもなかなか粋ですよ。

ちなみに、拙宅にはエアコンはありません。家を建てる時、エアコンなしでホンマに暮らせるのかというのを1つのテーマに課したせいもあり、兼好法師の時代の知恵を現代風にいじっています。たしかに、シンドイなぁと思うのは年に1日か2日程度あります。我慢比べが全てじゃないので皆さんは無理はしないように。健康あってのモノダネです。