恫喝

3.11

「裏切った民主党議員には、報いをこうむってもらう」、先日東京電力労働組合の新井行夫・中央執行委員長の弁です。民主党議員が東京電力を裏切ったということみたいですが、民主党と東電との間には何か深〜〜い関係でもあるのでしょうか。(写真は東電労組大会で挨拶する小林議員、彼は東電労組出身、連合幹部経由の国会議員)

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恫喝のごとき発言は、東電労組と民主党議員が一心同体な証拠であり、東京電力がヤクザな会社であることの証明です。

東電出身で民主党の国会議員といえば、小林正夫(参院比例 東電労組出身)、加賀谷健(衆院 東電労組出身、千葉)が出てきます。でも、彼らはもともと東電労組、いわば「同胞」ですから、新井委員長の恫喝対象ではありません。

東電等の電機労連が支援した民主党議員は、輿石、連紡、江田五月等20数名います。その中の「同胞」以外で、脱原発を言い出した議員がターゲットではないでしょうか。あるメディアでは菅直人ではないかという話を書いたメディアもありましたから、どうやら脱原発に舵をとった議員たちが東電労組にとっての「裏切り者」のようです。

注意すべきは、東電労組が支援するのは国会議員だけではないこと。都道府県、市町村などの地方議会にも東電労組や電力会社の労組が支援して選挙に勝利した者たちは山ほどいます。自らの票の行く末を気にする彼・彼女らは、はたして原発の危険性や脱原発政策を打ち出せるでしょうか。まず無理でしょう。脱原発を目指すなら、東電労組等が支援した議員らは要警戒。次の選挙のために、しっかり心得ていて下さい。

だいたい日本労働組合総連合会(連合)の幹部には民主党の顧問的立場だった笹森某(故人)等のように東電労組からの出身者がウヨウヨ。その連合が民主党を陰に陽に支え、先の選挙の影の功労者でした。つまり、東電労組には労働組合全体を動かすことができる力があり、そのことが先の傲慢な委員長発言になって表出してきただけでしょう。

なぜ働く労働者の集まりである労働組合が『被曝を強制する側』に立つのか。既に危険な被曝作業は非正規組や下請けに回しているので、正規労働者の組合員は被曝とは無関係、の特権階級なんだそうな(「週刊現代」6月16日号)。とにかく、原発推進は東電の経営者側も労働者側もいっしょ。良識ある東電労働者なら怒りで震えそうだな。

さて、この委員長暴言を報じたのは朝日新聞でしたが、委員長が話した場所は愛知県犬山市で開催された中部電力労働組合の大会会場。仲間内で本音を言ったら外部に漏れたというわけなのでしょうか。その後、委員長は「外出中」で雲隠れ。ヤクザな東電労組ですから、陰で朝日新聞不買活動や大手広告代理店を通じた締め付けの準備を画策しているかもしれません。

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ついでながら、恫喝といえばこの人。

仙石議員、またまた福井に出向いて地元議員らに原発再稼働のハッパをかけたそうな。でも、説得理由が支離滅裂。原子力安全委員会が判断を留保しているのに、専門家が安全だと言っているなんてのはウソだし、東電福一原発の剥き出し核燃料の危険性について、「全原発を止めても核燃料は存在する」等とするのは詭弁そのもの。脅しだけがホンモノというのは何だかな〜。アカンわ、このおっさん。