原子力マフィアに支配される原子力安全委員会

.opinion 3.11

前の投稿で、国の原子力安全委員会は「政治家の暴走を止めるために安全委員会を設けてダブルチェックしているのだ」という和歌山県知事の言い分を引きながら、細野環境相ら4大臣決定に問題があることを紹介しましたが、書いた後でお尻がむず痒い。だって、原子力安全委員会って、斑目某以下、褒められるような組織じゃないもんね。そうしたら河野太郎国会議員が面白いリストを出しているのに気づきました。それは・・・(追加)5/25に動きあり。

・・・

河野議員は、民間企業から原子力委員会事務局に「採用」された人物の出身法人を一覧しています。



出身法人    期間      常勤・非常勤
電力中央研究所 H19-H21 常勤
日立GEニュークリアエナジー
 H22-H24 常勤
関西電力    H19-H21 非常勤(以下全て)
三菱重工    H19-H21
中部電力    H20-H23
日立GEニュークリアエナジー
 H20-H22
東京電力    H20-H22
東芝電力システムH20-H22
関西電力    H21-H22
日本原子力発電 H21-H24.12.31*(*は在籍中)
三菱重工    H21-H23
電力中央研究所 H22-H23
東京電力    H22-H24.07.19*
関西電力    H22-H24.06.30*
東芝      H22-H24.07.15*
電力中央研究所 H23-H24.12.31*
東京電力    H23-H25.06.30*
中部電力    H23-H25.07.31*
三菱重工    H23-H25.09.30*
日立ニュークリアエナジー
        H24-H26.03.31*

(平成19年4月1日から平成24年4月1日までに民間企業から原子力委員会事務局に「採用」された人物の出身法人; 出典は河野太郎議員のHP

河野議員曰く、
「東京電力、関西電力、中部電力と日立、東芝、三菱重工で原子力委員会の事務局ポストをしっかり分け合っている。電力中央研究所も必ず一人出しているし、最近では日本原子力発電も出している。

こりゃ、関係筋が原子力委員会の事務局に人を出して、情報のやりとりから意思決定まで、すべて出身法人と一体で運営していると言っても良いだろう。」

とのこと。そして、「官も民も原子力ムラの住民が引っ越してきているだけ」と看破。河野議員は「疑惑の原子力委員会事務局」としていますが、「被曝を強制する側」の手先が安全を審議決定する禍々しさはほとんど真っ黒と云ってよいでしょう。

要するに、いくら法制で体裁を整えても、原子力安全委員会の中味は原子力マフィアの別働隊。そんなもので安全性をダブルチェックできると考える方が能天気で愚かです。

ということで、先の投稿は法治国家のルールすら守っていない政権の問題であることを再度繰り返しておきましょう。

でも、原子力マフィアでさえ判断を渋るような原発再稼働の判断を今の政権に押し付けているのはいったいどんな勢力なんでしょうね? それとも野田政権そのものがマフィアの傀儡なのか。そこがまだ気になって仕方がありません。

(追加)読売新聞(5/25)によると、「内閣府原子力委員会の小委員会が、電気事業者らを集めた勉強会で、同小委の報告書原案を事前配布していた問題を受け、細野原発相は25日、閣議後の記者会見で、電力会社から同委事務局への出向を取りやめる方針を初めて明らかにした。」と報じています。