測らず報じずで恥知らず

.opinion 3.11

三陸沖で豊漁というニュースを朝見ました。でも、その魚の放射線量については一切なし。どうやら国は全国民に内部被曝を要求しているみたいですね。25日の福島民友の記事によると、いわき、相双海域の魚からはかなり高線量のものが出ていますSave childのレポートで知りました)。やっぱりですね。もうすぐやって来る米のシーズンがオソロシイ。その他、ニュースを見ていて思ったこと考えたこと、いろいろ。(追記2)さらに書き直しました。

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なんだ菅だ

菅総理、総理の資質に問題ありだと私も問題視してきましたが、なんだかんだ云って、はじめて原発を止めた首相となり、浜岡近辺の住民だけでなく全国民にとってこの上ないプレゼントになりました。「依存」なんて言葉つきの不十分さながら「脱原発依存」なんて云ったのも歴史的な偉業です。彼の思惑や目的は横におき、結果論で見れば、よくやった、ご苦労様でしたというべきところでしょう。

脱原発を継承しない民主党

その後継者選びで右往左往する民主党。奇妙なのは、各候補者の口から菅総理が切り開いた脱原発依存路線についての論評がほとんど聞こえてこないこと。菅氏が退いたら元の原発推進路線に戻るというのでしょうか。だとしたら悲惨だ。
願わくば、次の総理には東電解体・法的整理で原発難民の救済ができる者、そして送発電分離で電力業界を解体する道筋をつけることのできる者になってほしいものです。

破綻するメディアと有識者

311以降、論理破綻してしまった有識者がなんと多いことか。節電が気に入らないのか、仕事が減るので原発動かせといった愚かな経済評論家。「セシウムは燃やせば分解する」というトンデモ発言をするバカ者。東電の言い分をそのまま鵜呑みにして想定外の事故を責めるなといった者等々。誰が一番苦しめられているのか全く理解できない連中は、原発をトウキョウ以外に押し付けた論理をそのまま延長しているかのようです。

NHKや朝日新聞などは完全に御用メディアであることを白日の下に晒してしまいました。でも、裏側を覗くとゼニコの関係でベタベタ。その中でも独立系メディアやフットワークの軽いジャーナリストの活躍が際立ちました。彼らがいなかったら実態を掴むのにえらく苦労したことでしょう。ホンマに感謝。

時間1μSvは年間1mSvではない

昨日の報道で「政府は、学校での屋外活動を制限する放射線量としてきた毎時3・8マイクロ・シーベルトの基準を廃止し、今後は同1マイクロ・シーベルトを目安に校庭などの除染を進める方針を固めた」(読売新聞 2011/08/24他)と報じられました。

また、「事実上これまでの「安全値」を見直す形だ。文部科学省は、子供が学校で受ける積算線量を年間1ミリ・シーベルト(1000マイクロ・シーベルト)以下に抑えることを目指し、除染費用を支援する」(同紙)とのこと。

そのまま読んだら、今回の見直しで年間1ミリシーベルト基準になりそうな感じを受け取る人も多いでしょうけど、それは間違いです。

だって、1 x 24 x 365 = 8.76mSv/年ですよ。まぁ1mSv/hに晒されるのは屋外にいる間だけとかそういう仮定を入れると、およそ5mSv前後になるはず。どう考えても年間1mSvではありません。要するに、年20mSvを年5mSvくらいに変えるという話であって、まだまだ1mSvには遠い。なのに、メディアはただただ国の言い分をタレ流すだけ。そう思っていると、ぎむりさんが鋭い分析をしていらっしゃいました。そちらを是非ご覧下さい。

つけ加えると、今の福島の状況が年5mSvの被曝環境だということを国が認めたようなもので(そういう地域に合わせて逆算しているはずだから)、これでもまだ危険は去ったわけではありません。このまま東電原発が落ち着いてくれれば、空間線量は減っていくでしょう。でも、汚染された山地や畑は簡単に除染できるはずもなく、除染したところで放射性物質入りのゴミをどこにどう保管し管理するのか、見当もつきにくい。基準数値の大小を決めるだけで、地域の安全性が変わるような状況ではないはずです。

本来は、いったんこどもや妊産婦を避難させてから線量を確認した上で基準を見直すべきでした。決して安全とはいえない5mSvで、安全だとか戻ってこいと云う自治体はやっぱりヤバイ。空間線量だけ下がっても。水や食べ物はどうするの?って云いたいですね。

(ご連絡)しばらく休みます

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