金の切れ目が縁の切れ目 そして脱原発へ

.opinion 3.11

南相馬市は、東北電力の原発建設計画に対して新規立地は受け入れられないとして該当する対策交付金を辞退するとのこと。地方自治体ができる最大の脱原発の動きにブラボ〜、かな!?

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派手な話じゃないのでメディアの取り上げ方もそれぞれ。本来は脱原発の動きとしてもっと取り上げていいはずのニュース。

既に触れましたが、もう1度原発絡みの交付金について整理してみましょう。
まず最初に交付されるのが「電源立地等初期対策交付金」。計画が軌道に乗り、環境影響評価が終わった翌年度から支給が開始され10年間続きます。工事に着工すれば「電源立地促進対策交付金」、「電源立地特別交付金 原子力発電施設等周辺地域交付金」が追加されます。今回話題になっているのは最初の「初期対策交付金」の方。

東北電力は浪江町と南相馬市小高地区にまたがる場所に「浪江・小高原発」を建設し、2021年度の運転開始を目指して用地買収などを進めていました。そのため、国から「電源立地等初期対策交付金」として今年度5200万円の交付金が南相馬市に入る予定でしたが、南相馬市はこの交付を申請しないことにしたというわけ(浪江町は何億円もらう予定なのでしょうか?)。「原発事故後、自治体の原発関連の交付金辞退が表面化したのは初めて」(河北新報 2011/08/05)とのこと。

南相馬市は「原発事故後の6月、東京電力や東北電力の株主総会で株主として脱原発の提案に賛成するなど、原発に厳しい姿勢に転換していた」(同上誌)とのことですので、交付金申請取り止めで態度を鮮明に打ち出したということでしょう。ただ、「3市町合併で発足した06年度以降、同市には 総額約2億円の初期対策交付金が支給されていた」(同上誌)ですから、現在の市長に変わり、今回の事件が起きてから態度が変わったということでしょう。

厄介なことに、「浪江・小高原発の周辺を対象とする、初期対策交付金以外の約9900万円は申請する」(同上誌)ということも報じられています。周辺道路整備とかの内容に絡んでいるんでしょうが、交付金をめぐっての自治体の解釈にはけっこう複雑なものがありそうです。まぁそれでも、万里の道は一歩から、方向が間違っていなければ、脱原発への道は開けるはず。南相馬市の動きには、そういう期待を持たせます。桜井市長にとりあえず拍手です。

(お詫び)先日、南相馬市長を取り上げた時、「周辺自治体が原発と「共存」する道を選んできたにもかかわらず、南相馬市は原発の迷惑金(原子力発電施設等立地地域特別交付金)を1円も受け取っておらず、国や東電等から煙たがれています」と書きましたが、それは現市長の発言をそのまま書いたものでした。桜井市長就任1年目にあたる2010年年度に交付を受けたか否かは、確認がとれていません。申し訳ありません。