誰も東電には逆らえない

.Books&DVD… .opinion 3.11

日本中枢の崩壊そう書いたのは、経済産業省の現役官僚の古賀茂明氏(大臣官房付)。氏が意を決して思いの丈を述べた本が「日本中枢の崩壊」(講談社刊)。出版間際で起きた原発事故について急遽1章を割いて分析しています。

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31ページにはこうあります。
「東電が経済界では断トツの力を持つ日本最大の調達企業であること、
他の電力会社とともに自民党の有力な政治家をほぼその影響下に置いていること、
全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)を動かせば民主党もいうことを聞くと自信を持っていること、
(電力総連会長から連合会長を務めた笹森清氏は菅政権の内閣特別顧問)
巨額の広告料でテレビ局や新聞に対する支配を確立していること、
学界に対しても直接間接の研究支援などで絶大な影響力を持っていること」などで、

誰も東電には逆らえない」とのこと。

このサイトで何度も取り上げた話ではありますが、現役の経産省幹部が堂々と出版したということに、改めて意義を感じて紹介する次第。

電力の送発電分離に関して以前から経産省内部でも議論がありましたが、そのアイデアを潰したきたのは当時の自民党政権と電力会社利権を代弁してきた官僚一派でした。そのことにもこの本は触れています。これから出てくる送発電分離問題を知る上でも貴重な本になっています。

ところでこの本、5月23日出版なのに、Amazonを見ると在庫なしでもう中古品扱い(5月29日14時現在)。だから、リンクはbk1につけました。だって、定価1680円が2500円以上なんて変ですもんねぇ。東電の買い占めなのでしょうか。