福島の学校プールは使用見送り

.opinion 3.11

福島県内13市の公立小中学校約500校で今夏プールを使った授業が実施されないことになりました。その判断や良しですが、どうせなら校庭20mSvの方もなんとか撤回してほしいものです。

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まず今回の判断に安心。『あぶないプール』の福島・原発バージョンを書く必要がなくなりました。

報道各社によると、福島県内13市の公立小中学校約500校で作る「福島都市教育長協議会」は18日に会合を開き、今夏はプールを使った授業を実施しないことにし、19日にその通知を行いました。理由は、放射性物質を含んだプール排水が近隣の農業用水に入ってしまうとか、学校プールの放射線量に関する基準について国の提示がないからというものらしい。

福島県内の学校プールがどんな方式で運転されているのか不明ですが、東電福一原発事故がいまだ終息しない状況下では、貯め水方式では放射線量は増える一方でしょう。循環式プールでもプールの処理装置程度では放射性物質は除去できないので結果的には貯め水方式と同じです(補給水による希釈効果はあり。でも補給水も汚染されていたら…)。また、プールでは水を飲むことも多いから、内部被曝の危険性からも逃れられません。だから、プール使用の見送りは良い判断だと考えます。

でも、こういう判断ができるなら、なぜ危険な学校の20mSv基準を認めてしまったのか。ひょっとするとプールでは福島県側が先手を打ったのかなぁ。

20mSv基準は国・文科省の主導で決められてしまい、県側はそれに従うしかなかった。でも、保護者や国中から疑問やクレームの嵐(当たり前)。危険かどうかと考え出すと、とても安全だとは云えないような話がたくさん出てきた。福島県が引っ張ってきた学者も、安全ではなく安心を訴えていて何か変。問題が多いからと云って撤回しようにも国と一戦交えるのは面倒だ。じゃプールに関しては国が介入してくる前に止めてしまえ…、というような感じでしょうか。そうだとしたら、福島県の勝ち。先手を打った福島県(の誰か)を賞賛したい。

以上、私の勝手な推測です。校庭基準で嫌気がさした国がさじを投げたのを福島県が受け取っただけなのかもしれません。何がともあれ、プール使用を見送った判断は良かった良かった。これで、こどもたちへの被曝の危険性を1つ確実に減らしました。ついでですから、校庭20mSvもなんとか撤回する方向で動いて欲しい。さらにいえば、学校給食による被曝も何とかできればいいのですが…。

(追記)他の方から、学校単位で水中放射線量を測定するのは非常に困難をきわめるため、そんな面倒はやめよう、測ったところでどうせ叩かれるのは見えているし、地面のように浅深入れ替えという裏技も使えない等と思ったのかもしれないとの意見あり。なるほど。推測はいろいろできそうですね。

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