義援金の流用?

.opinion 3.11

日本赤十字社に集まった義援金は過去最高の1240億円(4/12現在)。ところが、その使い道に政府が介入し、事もあろうか東電が払うべき賠償金まで肩代わりするような内容になっています。これって義援金の流用じゃないんですか!?

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4月8日、義援金の配分方法を決める委員会(会長=堀田力・さわやか福祉財団理事長)が厚生労働省で開かれ、被災した15都道県に対する第1次分の配分基準が決まったとのこと。その内容は以下の通り。

1) 死者・行方不明者1人当たり35万円
2) 住宅の全壊・全焼1戸当たり35万円
3) 半壊・半焼同18万円
4) 福島第1原発事故の影響で、避難指示や屋内退避指示が 出ている半径30キロ圏内の世帯についても「自宅に住めない点では被害は全壊と同等」として、1世帯当たり35万円を配分

上記は義援金の配分先として4つの区分けを考え、今回の被災を地震、津波、原発による災害に因るものとし、これら被害者に対してお金を渡そうとするものです。金額の多寡については横に置いても、配分対象になっている1)から3)まではまぁそんなものでしょう。

問題は4番目。原発事故で家に住めなくなった人に義援金を出すのは問題ありません。でも、これって東京電力の安全管理の不備が引き起こした人災だから、本来は東京電力が責任を負うべきもの。一時的な立て替えならいいのですが、もし賠償金の代わりに義援金を使うのなら変じゃないですか?原発災害賠償制度とは別枠で考えていただきたい。

義援金の支払により、原発被災者への東電や国の賠償責任が一部でも免除されるとしたらおかしな話。もし補償を義援金で充当しようという企みがあるとしたら大問題です。そういう疑念がある以上、義援金の配分方法を決める委員会はきちんと国民に説明すべきです。堀田さん、TVであれこれ時事問題を解説するくらいなら、この件もちゃんと説明して下さいませんか。<-- まぁTVが役に立たないのは今回よく分かったからあまり期待できないか。 * * こういうのが起こりそうだから(起こらなくても、だけど)日赤経由の義援金は信用できません。義援金の配分についての疑義とは違いますが、一般に日赤などの団体にお金を出すと途中で消えてしまいます(既述)。社会福祉協議会なんか経由だとキックバックで10%ずつ返すとの噂話もあり、途中にボーイスカウトとか自治会とか何々団体とかが3つも4つも絡むとお金がどんどんピンハネされてしまい、被災当事者にいったいいくら渡るのか全くわかりません。 最たる例が赤い羽根募金で、10%くらいしか本来の目的に使われていないとのこと(35年前に羽仁五郎の本で教えてもらった)。これでは誰にお金を寄附しているのかさっぱりわかりません。キツイことを言うなら、募金収集団体が資金稼ぎとして赤い羽根や災害を利用しているのといっしょです。 私はこういう団体にお金を出したくありません。お金が活きません。もしあなたが今まで知らなかったら、後学のために是非ご記憶下さい。私たち夫婦としては今回、ダイレクトにお金を使う団体に少なくない金額を寄附しました。それでも、いろいろな付き合いで日赤義援金にも数千円程度出しており、それが加害者の東電のために使われるのだとしたら、とってもイヤな気分です。 * * * バラマキ子ども手当を放置したまま、どさくさに紛れて消費税を上げようと画策し始めた民主党。こんな呆れた政党だったのかと思うと残念です。その上、庶民の義援金に介入し、東電が払うべき賠償金にまで流用するというのなら、原発被災者をバカにする行為で許せません。 さて、東電の賠償分の肩代わりについては、まだまだ厄介な問題が出ています。それは次で…。