レ・クレイエール

.opinion 3.11

フランスのラーンスにあるレストラン「レ・クレイエール」で東日本大震災チャリティのディナーが行われたと聞きました。遠く離れた場所で開かれた催しに、彼の地のシンパシーとしたたかさを感じます。

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こういう話って他に書く人が少なそうなので書いておこう、と前置きしといて…

ラーンスって良い町ですよ。しっとり落ち着いているし和やか。旧市街の真ん中にあるカテドラル(教会堂)は荘厳で、中のステンドグラスは圧巻。面白いのはシャガールの絵がそのままステンドグラスになっていたり、入り口付近の外側に配置された天使像が笑っていたり、なかなか粋な所です。藤田嗣治の晩年の大作があるのもここ。

一方でランスという町はシャンパンの集散地でもあり、美味しいレストランがいろいろ。私たち夫婦は二度訪れたことがありますが、目的は先のレストランに御馳走を食べにいくこと。今でも食べたもの飲んだものが思い出せる位に美味しくメモリアルでした。10年くらいまでは3つ☆レストランの「ボワイユ・レ・クレイエール」だったんですが、シェフのボワイユさんが引退した後、名前が「レ・クレイエール」に変更。経営問題も絡んでどんどん☆が落ちましたが、数年前にパリの某3つ☆レストランのスーシェフがやってきて隆盛を取り戻しそうな感じだと聞いています(いつかまた行ってみたいですね)。

その「レ・クレイエール」で先月28日東日本巨大地震の被災者救援の1つとしてチャリティディナーが開催されました。「ルイ・ロデレール、ビルカール・サルモン、テタンジェ、ポメリー、デュヴァル・ルロワ、ブルノ・パイヤールなどの一流メゾンが持ち寄った貴重なヴィンテー ジ・シャパーニュのオークション」(読売新聞)とのことですが、涎が出そうなラインアップですね。ちなみに、ポメリーは「レ・クレイエール」と道路を挟んで向かい側にでっかいお屋敷があります。

チャリティの結果集まったお金は総額15万1400ユーロ(約1816万円)。日本赤十字社に送られるそうです。一回のディナー&オークションでこれだけ集まるなんてシャンパン業者のお客さん層って、やっぱり金持ちなんですね〜。シャンパン生産者らは東京でも同様の催しをしたい意向だそうですけど、フランス人のしたたかさというか、商売相手国へのチャリティという名目で巧みに自身の売り込みを行うという熱心さを感じるのは私だけでしょうか。

そういえば、世界最大の原子力産業コングロマリットのアレヴァはサルコジさんまで引っ張り出して早々と事故対応への協力を打ち出し、商売していますよね。フランスはホンマによ〜やるなぁ、ですわ。