森永さん、安らかに
2025/02/03
森永卓郎さん、1月28日に原発不明のがんでご逝去、享年67歳。
新聞・テレビ・ラジオ・ネットメディアで森永さんがご逝去されたこと自体は報じられています。でも、森永さんが生前に主張してきたこと、話題にしてきたことなど、肝心の話は殆ど出てこない。亡くなってもメディアに敬遠されるのはアッパレというべきなのか。
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膵臓がんで余命わずかと宣告された、一昨年暮れにそう告白した森永さん。次の桜は見ることができないかも・・とおっしゃっいつつも、死ぬまでに伝えたいことがあるということで何冊もの書籍を書き下ろしました。本サイトでも『ザイム真理教』や『書いてはいけない』は既に取り上げた通りです。宣告後1年と少しの間にがんの転移が進んで急激に病状が悪化し、残念ながら今年1月にお亡くなりになりました。
著名人が亡くなった場合、報道では死去日、年齢、死亡原因だけでなく、その方の業績紹介があるのが普通です。でも森永さんの場合、「死ぬまでに伝えたい」と病身をおして書き下ろした財務省批判やJAL123便墜落事件に関する話が殆ど出てきません。なぜ?
財務省批判については、泉房穂氏が少し触れたり、森永氏が遺言として『財務省は極悪人でカルトだ』と言っていたと高橋洋一氏が披瀝したりしましたが、森永氏のラジオ番組での発言自体はピー音で消されていたとのこと。後者のJAL123便についてはマスメディアで話題にする人は皆無な様子。どちらの話題もマスコミではアンタッチャブルだと森永さんが指摘していた通りでした。
個人的なことをいえば、森永さんと私は年もほぼ同じ(1つ違い)。お出しになった本はほとんど読んでいますし、一度だけ森永さん司会のラジオ番組にゲストで呼ばれたこともあり(2006年8月)、余計に親近感を覚えていました。また、昨年『「マンガ:日航123便はなぜ墜落したのか」』を上梓後に、連れ合いが感想メールを送ったらすぐにお返事をお返し下さいました。がんの治療で毎日大変だったはずなのに、一読者に対する律儀さに感謝した次第です。
ヒトは誰でも死んでしまいます。死を前にしてどう生きていくか、ヒトの真価はそこに現れると云った人がいました。死を前にした森永さんの生き方はアッパレ。氏の言い分全てに賛同するわけではないにしても、大変勉強させてもらいました。どうか安らかにお眠りください。合掌。