ノーリスクではなくなった米国債

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米国大統領トランプはやりたい放題。科学的事実を無視して国際機関を脱退したり、高関税をふっかけて他国を脅したり、グリーンランドを欲しがったり、気に入らない国家の首長を国際法を無視して拉致したり、気に入らない内外の財政支援を中止したり。とんでもない人物が権力を握るととんでもないことになると日々実感。あんな人物を国のトップにした米国民が悪いと言えば悪いのですが、その影響を直接受ける国や人たちは堪ったものじゃない。

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出典はロイター

金融の世界ではリスク計算を行う際に米国債をリスクゼロで設定していました。ところが第二期トランプ政権の暴挙で必ずしもそうではなくなった、というのが今の通り相場。

WiKiより引用

なぜかといえば、トランプの横暴ともいうべきMAGA政策でドルの信認が大きく低下したから。その結果、貴金属の価格が暴騰。日本の株価が騰っているのもドルからの資金退避の受け皿ではないかと私は考えていますが、どうでしょうか。

そして、金融関係者が憂慮しているのは米国債の永久債化。既に紹介したようにトランプ政権のブレイン、スティーブン・ミラン氏は「米国債を100年債の超長期債化し、それに組み替えしなければ関税で脅せ」(概意)と表明しています。100年債というのは、要するに元金を返す気ははないと言うに等しい話です。そうなると、利金だってどうなるのか怪しくなってきます。昨年初めにこの話を知った時、私はすぐに手持ちの米国債を全部売り払いました

とにかく米国債の今後は不透明になってきた、これは間違いありません。案の定、世界各国も米国債の売却に動き始め、報道されているだけでもいろいろ出てきました。昨年の各国保有状況を見てみると、多い順に日本、英国、中国、カナダ、ベルギー・・・と続いていますが、中国の保有高は大きく下がっていることがわかりました。

中国は第一期トランプ政権の時から米国債の売却を進めています。下のグラフを見ていただくと分かる通り、最近10年で中国は米国債をどんどん売って、半分近くに減らしました。つい最近も国内銀行に対して米国債を売却するように指示を出したと報じられました。今後も中国は米国債の保有高を減らしていくことでしょう。

以前は米国債の最大保有国だった中国も今は昔。出典はBoomberg

既にスウェーデンやデンマークなど北欧諸国の年金資金は米国債の売却を開始しています。今年になって表に出てきた理由は、グリーンランドをめぐる米国トランプの傲慢な言い分であることは明らか。他のヨーロッパ諸国もおそらく追随することでしょう。この資金が金などの貴金属相場へ向かっているのではないでしょうか。今年末にはどうなっていることやら、もっと大きく変化するのかもしれません。

その他にはインドやブラジルもどんどん米国債を売り進めていることが報じられています。一部の金融関係者が米国債売却の動きはないとか、大規模な売りは出ていない等というのも時折報じられますが、今の統計結果が出るのはまだ先の話。数字なしで言うとしたら自分たちが売却するための時間稼ぎか、トランプ政権側の火消しでしょう(私見です、念のため)。

トランプ的世界では米国債の売却傾向は大きなうねりになってきました。この次に何が起こるのか。推測するのがオゾマシイ。でも何が起きても対処できるように覚悟だけは固めておいた方がいいのではないかと思う次第です。