Wero

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Weroって知ってますか? 主要ヨーロッパ国内での銀行間決裁ネットワークのことです。We + EuroでWero(ウェロ)なんだそうで、つい数日前までこちら知りませんでした。なぜ知ったかというと、先に触れた国際刑事裁判所(ICC)判事の口座凍結に関してネットニュースでトンデモナイ話を読んだから。トランプ等のおかげで世界秩序が崩壊してしまった現在、私たちが安穏と米国に依存することの危険性が浮き彫りになった例を1つ。

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2024年11月ICC(国際刑事裁判所)は「イスラエルのネタニヤフ首相らに対し、人道に対する罪と戦争犯罪の容疑」で逮捕状を提出。それを不服としたトランプ大統領と米国議会はICC判事らの米国内資産凍結を2025年8月に行いました。そのことは聞き知っていましたが、その実態は資産凍結に留まらず、米国企業による対象者へのサービス全般を禁止するという驚くべき内容でした。

Euronews2026年2月23日によると、ICC判事のクレジットカードも使用不可能になった、あるいは「米旅行会社エクスペディアを通じてフランス国内のホテルを予約した際、制裁対象であることを理由に数時間後に予約がキャンセル」されたとのこと。つまり米国系会社が胴元ならば関連サービスは全て使えなくなるということでした。

VisaやMastercardだけではありません。現在ヨーロッパ各国で流通するクレジットカードもVisaやMastercard等の決裁ネットワークに頼り切っているらしく、米国が止めると決めたら皆アウト。これは恐ろしい。欧州でも米国系企業のサービスがインフラな状況がICC判事の例で明らかになったわけです(当然日本も同じ)。

判事のギユー氏曰く、「制裁の核心は、米国のいかなる個人・法人も、制裁対象者にサービスを提供したり、受けたりすることを禁じられている点にある」とのこと。クレカやホテル予約などが使えなくなるというのは米国系サービスが全世界で支配的であれば必然的にそうなってしまうということでした。

そこで登場するのがWero。VisaやMastercard、PayPal、Apple Pay、Google Payといった米国系サービスに欧州の経済や生活が支配されている現状を打破するには独自の金融サービスを構築するしかない、ということでドイツやフランス、ベネルクスなどが中心になって2024年にスタート。期せずして米国のICC判事への制裁事件のほんの少し前のことでした。

Weroはまだ本格的な運用とはいえない状況のようですが、トランプ的世界が一般的になってくると米国系サービス一辺倒ではあまりにリスキーなので、非米国系のWeroの普及が期待されます。非欧州人にも開放されたらこちらも登録したいものです。

(おまけ)以前紹介したWISEとWeroはどこが違うのか。WISEって銀行間のやり取りだからエエやんかと思っていたけれど、米国系クレジットカードの決裁ネットワークを使っているとしたら面倒ですね。