みどりさん with ウィーンフィル

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初っ鼻からいきなり引き込まれ、4小節目くらいで異次元の世界へ迷い込みました。相変わらず素晴らしい! 演奏者は五嶋みどりさん。曲はプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番#19、共演はアンドリス・ネルソンスさん指揮のウィーンフィル。11月9日大阪のフェスティバルホールでした。

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みどりさんとウィーンフィルの組み合わせなんて一生のうちに果たして何回聴けるのか。そんな思いで東京サントリーホールのチケットを取ろうとしたら販売開始直後数十秒で売切御免、ありゃBOTか。がっかりしていたら、その後大阪でも演ることになり何とか席を取りました。こちらも数分であらかた売り切れ。一般のコンサートの2〜3回分以上のチケット代なのに凄い人気ですね~!

当日の演奏については誰か他の人のサイトを参照してもらうとして、全く個人的な感想を少し。こちら、音楽評論家ではないので曲を聴く時は景色が浮かぶか? 色は? ニオイは?等という曖昧な印象を感じるかどうかが第一の関心です。そういう意味でいえば、みどりさんの演奏は何か心地よい別世界に迷い込んだ感じがイイ。

みどりさん、最近はラフな服装で踊るようにヴァイオリンを弾いています。20年前に大阪のシンフォニーホールで聴いた時の凛としたドレス姿とは大違い。でも服装は違えど、全身全霊での演奏は変わらず。音に没入して気持ち良さように演奏しているので聴いている方も心地よい。おまけにネルソンスさんも踊るように指揮するタイプみたいで、二人で何かシンクロしているように見えてくるから不思議。

前半のみどりさんが終わると後半はウィーンフィルだけ。前半はみどりさんとのバランスが絶妙でしたが、後半はエンジン全開のマーラー5番。世界最高峰の一糸乱れぬ管弦楽演奏とはかくなるものなのか。凄まじく素晴らしい! 特に、最弱音・弱音での演奏は繊細かつ優美で、固唾を飲んで聞き惚れてしまいました。

ところで今回演奏者の配置が通常とは逆で、コントラバスが正面から向かって左、ハープが右だったこともあり、Anneleenさんの繊細な演奏をほぼ正面で見聴きすることができたのが個人的には大収穫。オーケストラの場合、マイナーな楽器を聴くのが薬味みたいで大好きだから(楽器も弾けないのに偉そうに云ってすいません)。

とにもかくにも感動的な演奏でした。これ以上を聴こうとしたら、ウィーンやベルリンへ行くしかないのかも。ベルリンフィルといえば、来年3月にHIMARIさんが共演するというのでドイツのチケットを取ろうかと真剣に悩み、併せてDuolingoでドイツ語を始めたりしました。でも、その前にソロでの日本公演があることが分かり、そのチケットが運良くとれたのでベルリン行きは取り止め(笑)。そのHIMARIさんの大阪公演が数日後に迫ってきた今日この頃です。