9月の足あと
2024/10/12
ちょっと前までは陽射しが強く暑かったのに、いつの間にか空は秋晴れ。朝晩小寒くなりました。お変わりございませんか。こちら9月は米国からやってきた友人夫妻と温泉へ、下旬は河口湖で辻井さんたちのピアノフェス、それに映画を数本楽しみました。備忘のために整理しておきます。
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一年ぶりで来日した友人夫妻と京都の西、湯ノ花温泉のすみや亀峰菴へ。私たち夫婦にとっては今年2回目。京都近辺では珍しい源泉掛け流し、京都から1時間前後というアクセスの良さ、そして希有なオーストリアワイン・・・という湯宿です。米国人の友人は和室の設え、特に名栗の床に感激していました。

宿のロビーはまるで美術館。水爆実験で沈んだ戦艦長門をモチーフにした柳幸典さんの作品。
そして19日からは私たちにとって3回目となる河口湖ピアノフェスティバルへ。昨年も記しているようにピアニストの辻井伸行さんを中心に据えて開催される音楽会です。
河口湖へ向かう前日は小渕沢のオーベルジュで一泊。富士見市とか小渕沢、清里付近は初めてでしたが、しっかり別荘地ですね。宿ではゆっくり美味しいフレンチと朝焼けの富士山を楽しみました。

朝焼けの富士山@ヒュッテ・エミール
さて河口湖のピアノフェスは3回目なのでもう厭きてくるかと思いきや、辻井さんのピアノは円熟味を醸し、ジャズ・クラシック双方に活躍する小曽根真さんたちも参加し、タイプの違う素晴らしいピアノ演奏を堪能しました。

風の音、小鳥のさえずり、ピアノ演奏が渾然一体となった時の素晴らしさ!
森のピアノはホンマに面白い。音響を考えるとマイナスなのでしょうが、ささやくような風の音や小鳥のさえずりも混じり、赤トンボが群舞し、景色そのものが音楽になっているところが他に代え難い。
4年前のピアノフェス(初年度)にも参加していたという小曽根さんは今回が2回目の参加。彼のピアノはジャズ即興演奏がベース。映画「グリーンブック」で有名になったドン・シャーリー風あり、チックコリア風なのもあるなぁと聴いていると案の定コリアさんとのコラボアルバムも出していました。道理で。
本人曰く、42歳の時に「ラプソディー・イン・ブルー」だと思って札幌交響楽団との共演を引き受けたら、実際はモーツァルトでの共演で必死に取り組んだ。そしたらクラシックが面白くなってのめり込み、今はクロスオーバーなのだそうです。即興を交えるからなのでしょうが、聴いていて愉しく心地よく感じます。
また新進トランペッター、松井秀太郎さんとの共演もすごくノっていました。イイの、聴いたなぁ。自作曲「O’berek」を若い壷坂健登さんとピアノデュオしたり、新人発掘に尽力しているところもマル。東京フィルと共演した「O’berek」のオーケストラバージョンも素晴らしかった。またどこかで聴きたいものです。

河口湖で好きなレストランの1つ、イル・バッコビスの前菜盛り合わせ
さてフェスを終え、3日間滞在した宿をチェックアウトしようとすると宿の主人が「来年7月に誰か有名人が来るのですか、昨晩から電話で問い合わせが来てるんです・・・」とのこと。すぐさまネットで調べると、2025年7月にベルリンフィルがステラシアター(河口湖)に来て、ドイツ以外では初めての野外コンサートを開催するらしい(こりゃビッグニュース)。宿を確保したい人たちが早々と動き出しているということでした。
まだ詳細は分かっていませんが、こちらも何らかの対応を要するかも(笑)。・・・といっていたら昨日サイトで指揮者はドゥダメルさんと発表あり。これも凄いな。ドゥダメルさんのドキュメンタリーをちょうど観に行こうと思っていたので尚更びっくり。大阪でも指揮しませんかね〜。
帰りは箱根に寄り、ポーラ美術館と彫刻の森美術館を楽しみました。首都圏の行楽地という位置づけのためか、物価は高めみたいでしたね(笑)。

@箱根 彫刻の森美術館