垂直尾翼〜日航123便墜落事件の闇(2)〜

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日航123便墜落事件では、航空事故調査報告書にはなぜかしら登場しない「事実」がたくさんあります。そこを掘り下げていくと公式発表とは異なる真相が浮かび上ってきます。まずは垂直尾翼から始めましょう。

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1985年8月12日、日航123便は相模湾の上空 23900フィート(約7300メートル)を航行中の18時24分に「ドーン」という衝撃音が記録され、垂直尾翼が吹き飛んだことが分かっています。垂直尾翼が吹き飛んだ原因としては、日本のマスコミの多くが「ボーイング社の修理ミスのために後部圧力隔壁が破損し、機内から吹き出た空気で垂直尾翼が吹き飛んだ」と繰り返し繰り返し喧伝しましたので、そのように理解している方が多いのではないでしょうか。でもその話は本当でしょうか? 

日航123便墜落事件の1年2ヵ月後に起こった「タイ航空機爆破事件」(1986年10月26日)をご存じでしょうか? タイ航空機では、乗客の暴力団員が後部の隔壁部の前のトイレで手榴弾を爆発させたため、後部圧力隔壁の67%が破壊され、急減圧が起こりました。客室から空気が大きな音をたてて吹き出し、客席には荷物が散乱しました。同機の機長は5000メートル降下して気圧較差を減らした後に大阪空港へ向かい、緊急着陸して乗客乗員全員を生還させています。そして、ここで注目すべき点は、後部圧力隔壁に大穴が開いても、垂直尾翼や水平尾翼、そしてAPU(補助動力装置)は破壊脱落することはなかったという点です。

一方、日航123便では、生存者4人のうちの1人の落合由美氏の証言(*1)で「上の方から『パーン』という音が・・・天井の一部が落ち・・・録音済放送が流れ・・・(空気は)流れていない・・・」ということでした。異常事態発生時の衝撃で客席の天井の一部が落ちて、一過性の軽度の減圧はあったのかもしれませんが、客室の空気が後部へ吹き出して客室内の品物が飛行機外へ吹き出すような急減圧ではなかったのです。

それでは、なぜ垂直尾翼が吹き飛んだのでしょうか? 実は、航空事故調査報告書(*2)の付録(*3)に重大な図が掲載されています。付録(*3)の116ページの付録6・付図−1「計算に用いた諸元」の図の尾翼の中央あたりに「異常外力の着力点」が図示されているのです(下の図をご覧ください)。付録の101ページには「18時24分35.64秒ごろに前向きに、また、36.16秒ないし36.28秒頃に下向きに、それぞれ異常な外力が作用したことが確からしく考えられる」と記載されています。

異常外力の着力点(航空事故調査報告書の付録より転載)(赤色部分のみ追加)

垂直尾翼を吹き飛ばした異常外力とは何だったのでしょうか? 鳥が当たったくらいで垂直尾翼が破壊脱落することはありません。宇宙から落下してくる隕石が飛行機の本体や主翼に当たる可能性は完全には否定できませんが、隕石が垂直尾翼に横方向から当たることはありません。高度7300メートルを飛行中のジャンボジェット機の垂直尾翼を破壊できる「異常外力」は、ミサイルまたは人工的な飛翔体と考えざるを得ません。

なお、8月12日当日は相模湾で海上自衛艦が「公試」つまり模擬標的機を飛ばしてミサイルで狙い撃ちするなどの試験を行っていたことが判明しています。なお、模擬標的機は長いワイヤーの先にオレンジ色の吹き流しを付けて飛行し、その吹き流しをミサイルで狙い撃ちするとのことです。

「そんなバカな、自衛隊が民間機に衝突するようなことをする訳がない」とお考えのあなたへ。私だってそんなことはあってほしくないけれど、そのような事故が日本でも世界でも実際に起こっています。

日本では、1971年7月30日14時過ぎに航空自衛隊の戦闘機2機の訓練中に1機が全日空機に衝突。全日空機は岩手県雫石町に墜落して乗客乗員162人全員が死亡しました。

フランスでは1968年9月11日にエールフランス1611便火災墜落事故が起こり、乗客乗員95人全員が死亡しました。2年かけて海底2300m から残骸10トンを引き上げて調査したものの、火災原因は不明とされていました。しかし、事故の43年後に元フランス軍軍事長官が「あの事故はミサイルテストを行っていたフランス軍が誤射して起こしたもの」と明らかにし、誤射による墜落事故だったことが明らかになっています。

つまり、軍隊がミサイルまたは模擬標的機または戦闘機を誤って民間機に当ててしまうことは有りうる話で、過去に既に起きたことがある話なのです。以上のことから、日航123便の垂直尾翼は内側からの破壊ではなく、人工的な飛翔物のような外的な力で破壊された可能性が高いと考えられます。(IZ)

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出典
(*1)「御巣鷹の謎を追う〜日航123便事故20年」(米田憲司著、宝島社、2005年)p184〜p186

(*2) 国土交通省:航空事故調査報告書(昭和62年(1987年)6月19日)
   https://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/download/62-2-JA8119-01.pdf
   https://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/rep-acci/62-2-JA8119.pdf

(*3) 国土交通省:航空事故調査報告書付録(JA8119に関する試験研究資料)
   https://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/download/62-2-JA8119-huroku.pdf