バフェットの長期とは
2022/09/19
ウォーレン・バフェットさんといえば、株式運用と買収会社の経営で世界有数の大金持ちの人物。質素な上に、その売買手法まで惜しげも無く公開しています。もしあなたが大金持ちになりたいなら、バフェットさんの売買を真似るのも1つの方法。でも、世間で紹介される話の中に「彼は長期投資だ」というものがありますが、ホンマでしょうか。
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バフェットの売買方法は割安な株を買う、それだけ。買った株式で組成された会社がバークシャ・ハサウエイ。もちろん、どの会社を選ぶかは事業や財務内容、経営者の資質などを考慮しますが、毎年の株主総会でその理由を公開しています。
バフェットさんの手法を長期投資だという評論家が多くいますが、それは勉強不足。コカコーラのようにたしかに長期に持ち続けている会社もありますが、すぐに売却する会社が多いのは意外に知られていません(米国では4半期毎に持株状況をUSSECに報告義務があり、その内容が公開されているので誰にでもチェック可能)。
昨今の例でいえば、二月まで保有していたアッヴィやブリストルメイヤーズは5月になるといつにまにか消えています(売却された)。また、1990年からずっと持っていたウェルズファーゴも売却されてしまいました。また、バフェットさん好みのマクドナルドも実際に保有していたのは数年というのが実情です(本人は後悔しているとか)。
バフェットさんに成功の秘訣はと問うと、「運が良かったから」と応えたのをどこかで読みましたが、当たりを引いたらずっとついて行く、買った時の理由がなくなったと判断したら即売るというのが彼の手法のキモ。実に明快で論理的。
要するに、当たりを引いた場合の結果として残った株をそのまま長く持っているという話でした。ハズレを引いてしまった、あるいは後で買った時の理由が消えてしまったと考えて売却した株は山ほどあることから考えると、買ったものを何でも長期に持っているわけではありません。
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さて、理屈っぽ話はここまで。もし世界一の投資家にあやかりたいなら、バフェットさんの株式運用会社バークシャハサウエイの株を買うという手があります。ところが、この株、BRK-Aは現在一株で41万ドル! 庶民には簡単に買えません(苦笑)。かくいう私、30年前だったかに買おうとしたのですが、当時で一株20万ドル前後。これでは買えないなぁと残念に思ったことを今でもよく覚えています。
誰しも思うことは同じなのか、その後会社は株価を1500分の1にして買い易くしたBRK-Bを作り公開しました(議決権は1万分の1)。これなら現在1株280ドル前後。私でも数百株なら買えないことはありません。(注:直近ピークは360ドルくらいだったので現在は22%くらいのドローダウン。持株内容から考慮すると、まだまだ下がりそう)
世界の未来を信じることができるなら、そしてバフェットさんの能力を卓越したものだと思うなら、彼の会社に相乗りすれば良い。少なくとも過去30年間はうまくいきました(笑)。
でも今後はわからない。たしかにその通り。先に示した世界全体の株価上昇に賭けるか、バフェットさんのような運の良い人に乗っかかるか、それとも自分自身の手法で道を切り開くかはあなた次第。でも、相場の世界とはリスクをとって運を呼び込んだ人が成功する場所だというのは古今東西変わりません。
つらつら書いてきましたが、BRKBの売り買いを薦めるものではありません。ちなみに私はBRK-Bを少し保有していますが、買い増しはまだ先のことだと考えています。投資は自己責任、ご自身の判断でどうぞ。