今年飲んだワイン

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lafit今年2009年も美味しいワインをいろいろと楽しみました。レストランやワイン屋さんが推奨するワイン、そして自宅に貯めたワインなど。

今年はサブプライム問題に端を発する世界的な不況やユーロ減価のせいか、在庫一掃を狙った卸や製造業者からの掘り出しモノがどんどん出てきて、値段は一時期より随分ドロップ。まぁワイン飲みにとっては嬉しい1年だったというべきでしょうか。

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唐突ですが、私にとって今まで一番美味しかった、そして忘れられないワインはラ・ターシュ。ロマネ・コンティの隣の畑のワインです。ビンテージは88、86。

18年前、京都高島屋のワインバーで試飲したのが最初でしたが、口に含んだとたんに涙が1粒ポロリ。
latache「神の雫」ではいろんなイメージが頭の中で展開されますが、私の場合は身体的衝撃。「ああ、こんなモノが世の中に在るんだ。お金持ちはこんなのを飲んでいるのか・・・」と妙に納得した瞬間。すぐ、高島屋に在庫のあった86年を清水舞台>ダイビングで購入。今から思えば、よくもまぁそんなものを買ったものだ…と感心する次第(今はとても買えません)。おかげでワインの道へまっしぐら。

独断でいうと、ワインは飲み物であってそうではない。ある意味、心揺り動かされる芸術品のような高みに達することがあります。美味しい日本酒や焼酎もふだん時々飲みますが、香りと味の持続性、そして奥深さという面でいえば、自然が凝縮した熟成感のあるワインが数段上。それを丸ごと受け止めるのに、飲み物の値段で評価するのは何か大事なものを欠落させてしまうような気がしてます。まぁ私見ですけどね。加えて、お料理とのマリアージュで、双方とっても美味しくなることあり、と来れば、なかなか足を洗えません。

残念ながら、物品はお金でしか交換できませんから、ワインも懐具合との相談になります。そうすると、どうしても生臭くなってしまう。とりあえず、ひもじい時に芸術品をどう評価するかという禅的な?問いかけは別としておきませう。

lafit2さて(というか、やっと本題)、今年飲んだワインをざっと思い起こしてみると、レストラン等で2週間に1本程度は飲んできたので30本弱。フランスワイン、イタリアワイン…、飲み頃に達しておらず早まったもの、ピークを少し過ぎたもの、なかなか飲み頃ピッタリに遭遇しないのは株の売り買いと同じなのでしょうか(笑)。

時々行く八坂の「イル・ギオットーネ」では、フロア担当のMさんが毎回美味しいイタリアワインを薦めて下さいました。得難いことです。ただ、こちらが持ち込んだ「カーセ・バッセ 97」などはまだまだ荒々しくて飲めたものではなかった(残念)。

レストラン「カッチャトーリ」では、ピエモンテの地場ワインを手頃な値段で提供して下さいましたし、秋には遠来の友人家族との食事に、持込で「ラフィット99」を使いました。ピークはまだ先という感がありましたが、流石にラフィット、若くてもアフターは長く、そして美味かった。

val02また、ほぼ月1で食事させてもらっている「ル・コント」で飲んだので印象的なのは、まず「グロリア 88」。このシャトーは好きなものの1つ。ボルドーらしい香りと味わいに大満足。また、11月に友人夫妻と飲んだ「ヴォーヌ・ロマネ 1er・ラ・クロワ・ラモー 04」。これが掘り出しモノで滅法美味かったので、追加で3本買って自宅セラーで寝かせることに。

そして、年末最後の「ヴァランドロー 02」。抜栓後は少し尖っていましたが、すぐに柔らかくなって至上の味わいに。繊細なお料理とバランスを保ち、連れ合いの評価も抜群。レストランにも少し残してシェフ夫妻も満足(かな?)。

cannG2000クリスマスに家族で飲んだ「カノン・ラ・ガフリエール 95」も逸品でした。このシャトーもお気に入りのサンテミリオンで、既に2000年他2,3のビンテージをいただきました。

ボルドーといえば、秋に飲んだ「ムートン・ロートシルト 01」もそれなりに美味かった(でもまだ早い。今後が楽しみ)。そんなこんなで今年も愉しめました。

ワインは人との出会いのようなもの。来年もまた美味しいのにめぐり逢えますように。

思えば3年前心臓の病でこの世を去っていたら、上記のような美味しいワインにはありつけなかったわけで、改めて健康の有り難みを感じ入るところです。そして、連れ合いをはじめ、家族友人知人の皆様へ感謝し、これを読んで下さる皆様の、来年のご多幸を願っています。

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