高速道路無料化の根拠

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highw09
民主党への政権交代で実現可能性が強まってきた高速道路無料化。メディアは相変わらず、無料化されたら困る人たちを「被害者」にして騒ぎまくり、無料化されたら儲ける人たちのことについては触れずしまい。トータルで国民にとってプラスかマイナスかをやってほしいんですけどねぇ。
さて、その無料化ですが、その根拠となる考え方について提案者の山崎養世さんの見解を整理しておきましょう。

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元GS投信の山崎さん、2002年に高速道路無料化を提唱し、民主党はその翌年にマニフェストにその政策を採用しています。彼の考え方は明快で納得できるものですが、メディアは反対者やその取り巻きを登場させ、無料化政策が国民のためにならないような宣伝を行っています。揉め事になればなるほど一部メディアは視聴率が稼げるので得なのかもしれませんが、相変わらずアホ丸出し。(以下、山崎さんの考えは週刊ダイヤモンド2009/09/5号に寄稿された御本人の論文から引用します)

さて、なぜ高速料金を無料化できるのか? 山崎さん曰く、「高速道路ユーザーが負担している年間2兆円の税金を年間1.3兆円の無料化財源に使えばよい」とのこと。実にすっきりした明快な答です。

順番にいきませう。まず「高速道路ユーザーが負担している年間2兆円の税金」とは何か。現在クルマの保有者は、買えば取得税+消費税、保有すれば自動車税、重量税、走らせれば揮発油税、地方道路税+消費税などを支払っています。これらの総額9兆円。もちろんこれば一般道路も込みなので、適切な比率で勘案し、高速道路ユーザーとしての税金を約2兆円と計算しています。

ところが、この税金は高速道路の建設や維持管理に使われるのではなく、もっぱら一般道路に使われてきました。ここに道路利権の旨味があるわけ(最後の部分は山崎さんの意見ではなく有田の言い分、念のため)。

高速道路ユーザーは多額の税金を支払うだけではなく、さらに利用料金というカタチで支払っているのが現在ですので、いわば税金費用の二重払い状態。この歪んだシステムを本来の姿に戻そうというのが山崎さんの考えです。ちなみに1.3兆円の財源とは、高速道路の借金返済分。

さらに彼の言い分では無料化で年間9100億円のコストがかかるが、一方でもろもろの費用消失で年間9900億円が削減できるとのこと。差し引きでプラスとなっています。また、国交省の資産でも無料化による経済効果を8兆円程度と見積もっていますので、国全体では増収になる模様です。最近TV等で高速道路無料化で商売が困った状態になる人たちのことを喧しく報じていますが、商売がお得になる人の話も出さないとバランスがとれないと私がいうのはそういうこと。

この無料化政策に対し、道路利権を貪り続けたい人たちや、数年来道路公団民営化で新利権を手にした人たちとその取り巻き(都副知事のような人物のこと)は様々な反対の声を上げているようですが、民主党が政権をとったのですから先は見えています。

高速道路無料化とは単に料金をタダにするのではなく、そこに巣くった様々な官僚利権や政治利権を払拭するという意味においても、この国にとってプラスの方向になるものと私は期待しています。