民主党への政権交代は円高か

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選挙が終わりました。内容や講評はメディアに任せておくとして、1つ未来を考えてみましょう。未来といっても遙かかなたの未来ではなく数ヶ月オーダーの為替の話。民主党への政権交代で、ドル円レートは円高になるでしょうか?それとも円安でしょうか。

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日本の政権交代くらいでは為替には影響しない。これが第一の答。ご祝儀相場で動いてもいずれ元に戻って落ち着く。これは為替のプロに多い意見のようです。残念ですが、それが実情のようです。でも、私は別の理由で今回は円高に進むのではないかと踏んでいます。なぜか。

いくつか理由がありますが、まず民主党の経済ブレーンの見解では円高方向を念頭に政策を考えていること。もちろん、だから円高になるというのではなく、従来の円安介入つまり米国寄りの為替行動をとりにくくなるだろうと推察できます。少なくともこれは円高要因。

2つ目。円高は加工貿易立国の日本には不利だという考え方が日本では定着していますが、ここ最近のデータをみてもわかるように輸入と輸出はほぼ均衡していますし、むしろ輸入の方が増え始めているような傾向さえあります。輸入が多いのであれば円安の方が国にとってお得です。それでも円高は日本に不利だと言い張っているとしたら、それは輸出産業を擁護しているだけ。

ところが、この国の輸出企業は経団連や圧力団体を形成し、自民党へ政治資金を提供しながら、うしろで支えていることでその利権を確保してきました。自国の通貨が高くなるのは国力が増すのと同じことなのに、その反対が当たり前の政策だと思わされてきたのは輸出大企業に加担したメディアのせいでもあるでしょう。

一方、それら企業や組織は民主党へはわずかな献金しか渡していないようです。ということなら、民主党は遠慮なくそれら組織の利益誘導にならないことでも鋭く取り組めます。私はそこに期待したい。円高政策が功を奏するなら、国力は増します。そういう期待を込めて円高に動くのではないかというわけ、です。

まぁ為替なんて予想しても当たるかどうかは半々の世界(だと私は思う)。私の使っているトレンドフォローシステムでも勝率は過去6割程度。資金管理を間違えるとすぐに損を出してしまうような「読み」でしかありません。だから、私の話なんかアテにしてはなりませぬ(苦笑)。

でも、これを書いている朝、先週末より約80銭高の92円半ばくらいまで騰がってきました(いまこのときもどんどん上昇中)。どうやらやはり円高のようですね。この円高が定着するのと新しい日本が作られるのとは歩調を併せてくるような・・・そんな気がします。