相場の世界ではコロナ終息? でもウクライナが・・・

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年明けから内外の株式相場は崩壊中。米国債の利率が2%近くまで上がってきた現在、お金の流れは世界中から米国、その米国でも株から債券に動くため、株式相場は一気にダウンしていきます(ほぼ必然)。先のことは誰にもわかりませんが、もし未だに株式相場が新高値になるなどと考えているなら株なんかしない方がいいかも。

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先週米国の友人からの電話で曰く、「年明けに米国株価が少し戻してきたのでルンルンだ」とのこと。アホな! もうピークだよと応答。FRBは今年の金融引き締め(金利アップ)を宣言し、既に10年ものの米国債の利率は2%近くにまで上がってきているので債券に大きくお金が動くのは必然。問題は、いつの時点でどういう形で株価が落ちるか、突然で急激なのか、ゆっくりダラダラ下がっていくのか。

案の定、今週になって明らかな暴落状態。日中に千ドルくらいの落下しながら引けは100ドルプラス等という乱高下は今世紀初めのITバブルやリーマンショック以来の動き。何を意味しているのか、私が説明するまでもないでしょう。

超長期な視点なら上がり下がりは関係なし、1割2割程度のドロップなら一過性だと我慢できるかもしれません。でも、半分だったらどうか。私は過去何度か大きなドロップを食らいましたが、メンタルが強くないと3割でもイライラ。おまけに今後20年があるかどうかもわからない高齢者にとってこれから超長期な待ちは無理というもの(笑)。

日本の株価はもっと悲惨。とくに新興株式のマザーズ市場は昨年末に比べて3分の1ものダウンで現在700台。明らかにお金が逃げ出している証拠でしょう。

そんな状況の中で明らかになってきたのは新型コロナ禍の中でもて囃されてきた(買われてきた)会社の株価が売りに売られていること。たとえば、ズーム(ZM)。当初は遠隔地を結ぶリモート会議システムの提供だったのが、在宅勤務や非接触型の会合が増えてきたため株価は一気に5倍まで騰がりました。でも、いつのまにかコロナ前の100ドル台。あらら。(以下、株価チャートは楽天証券から引用)

次にネットフリックス(NFLX)。外出が制限されてくると娯楽はTVや読書になってくるのか、買われたのがネットフリックス。当初会員数を大幅に伸ばしていたので株価も上昇。ところが昨年後半から、その増加に翳りが見えてきたのでつい今年になって一気に売り一色。ピークの700前後から半分になってしまいました。ちなみに、ホルダーの私は逆指値の売り注文を500ドル辺りにしていたので暴落には巻き込まれませんでしたが、いったいどこまで下がってしまうのでしょうか。(私は下がれば買い増し)

そしてモデルナ(MRNA)。新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンを創り出した2つの内の一社。モデルナにとってはこのワクチンが最初の商用化商品。旧来のワクチン製造しか知らない学者や有識者が、そんなに早くワクチンが作れるはずがないとクレームしていましたが、実際には10年前からの研究の成果。相手の組成さえわかれば理論的に作成できる技術ができていたので今回は3日でできたそうな。ワクチン製造も今は昔。

そのモデルナ、コロナ前の株価は数10ドルだったのがワクチン接種が進み出すと500ドルまで急上昇。それが昨年後半になると急に下がり出し、現在はピークの3分の1の150ドル前後。これにはいろいろと理由がありますが、一番の理由は感染禍の終わりが見えてきたというマーケットの「読み」。つまり、既に相場の世界では新型コロナ禍の終息を読み込んできました。

もし数か月先を知りたいなら株価を見ろ、というのは昔からの至言。日本ではオミクロンで感染爆発、医療状況は逼迫などと報じられていますが、日々数十万人の感染者を出す欧米各国は既に終息を見込み、自国の経済再開を選択。重症化の程度が少ない感染症に日本が何をビビっているか、私にはチンプンカンプン。

ところで、今一番の相場の関心はウクライナ。ロシアは侵攻してくるのか、EUは、米国はどこまで対抗するのか。世界の株価に一番影響を与えているのはこちらです。ご用心。(まぁ北京オリンピックまでは大きな動きはないとするのが普通でしょうか)

今年の株価は暴れそう。大きなドロップに負けないメンタルがないと生き残れない年になってきました。これまたご用心。