アップル株価は青天井なのか?

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アップルの株価は現在364ドル+。コロナ禍前よりもさらに上へと上昇しています。月まで届け、とばかりに騰がる様は、突然雪崩のごとくドロップしていく助走かも。それにしても、20数年前のアップルを知る者としては、まさかここまで会社がデカクなるとは想像できませんでした。昔は今を思わざりけり。

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アップルの時価総額は約1.5兆ドル(160兆円)。トヨタが約25兆円、ソニーが約10兆円であることと比べてみればこのデカさがよくわかります(ちなみに、マイクロソフトやサウジアラムコ、アマゾンも1兆ドル企業)。

私がアップルコンピューターを知ったのは80年代初めのマイコン黎明期。当時のApple IIはお金持ちが買う高級ゲームマシンという印象でした。ところが、1984年にモノクロなMacintoshが登場した時はびっくり。というのも、当時のパソコンとは全く異次元のインターフェイスだったから。

いくら素晴らしいマシンを作り、CG関係のユーザーを増やしても、売れるのは価格の安いDOSマシンばかり。日本ではさらにガラパゴスなNECのPC98が一番のシェアでした。結果、Appleの経営はどんどん悪化し、85年に創業者のジョブズは会社を追われてしまいます。

90年代になるといつ潰れるのか、ソニーに身売りするとかMSが買収するとか、いろんな噂が流れましたが、ジョブズが出戻ってからは快進撃。まずiMacがヒットし、新世紀になってからiPodの成功で音楽産業のデジタル化へ道筋を開き、ソニーを駆逐してしまいました。時代がジョブズの先見性に追いついたというわけでしょうか。

そして2007年のiPhone登場以降は皆さんよくご存じの通り。面白いもので、商売が当たるとジョブズの評価も鰻登り! 彼の云う、「Think Different」が何を意味するのか、ホンマにわかっている人がいるのかどうか(わからないからこそ、禅問答のごとき言葉が意味深なのかもしれません)。

昔クパチーノで開催されたWWDC土産に友人から貰ったアップルのTシャツ。ささやかな私の宝物の1つ。

さて、アップルの株価ですが、リーマンショックでもコロナ禍でも関係なく上昇中。既に割安とはいえない段階に入っています。一方で、ウォーレン・バフェットのバークシャーが大量に買っているせいもあり、まだ伸びしろはありそうですが、さらに倍になるのは時価総額から考えても難しい。

Appleはつい先日、WWDC(開発者会議)でMacのCPUをiPhone/iPadと同様にインテル製からARM製に切り替えることを発表しました。モトローラ、IBM、インテルと続いてきたコンピューターの頭脳を自身で握ろうという試みにマーケットは好感し、株価はさらにアップ。余談ながら世界最速の計算機、理化研の「富岳」もARMベースのカスタマイズです。

今後登場する(噂の)アップルの電気自動車やその自動運転システム等々で、さらに株価はアップするゾと囃し立てる人もいますが、先のことは誰もわかりません。でも、アップルなら何か面白いモノを世に送り出すのではないかと私も期待する1人なので、警戒しながらフォローしていくつもり(ポジショントークです、念のため)。