避けるべきは集近閉
2020/06/16
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巷では既にコロナ禍が終わった気分になっている人が多いのか、それとも臨時の給付金が手に入ったので何か買い物をというわけなのか、大型スーパーやドラッグストアは先週末は人でいっぱい。大丈夫か〜。
世界各国を見渡しても多くの国々で経済活動が再開され、ヨーロッパの一部では国境閉鎖が解かれました。一方で、中国や韓国などでは感染が再燃してきた感あり。やはりワクチンや特効薬が出てこない限り、以前の世界には戻りにくいのではないでしょうか。
そんな折り、面白い語呂合わせを知りました。それは、集近閉。うまいこと云うもんだ。
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先週12日に厚生労働省健康局結核感染症課と国立感染症研究所は、2019-nCoV 遺伝子検査方法についての評価結果を公表しました(pdfはこちら)。それによると、多くの検査で感染研の方法と陽性一致率、陰性一致率が同じ、すなわち同等の検査結果になることがわかりました。
今後は感染研お墨付きの特定検査だけに限らず、いろんな検査でウイルス検査ができるように認可作業を進めて欲しいものです。なお、先日来話題になっている国産自動化PCR検査機を要するプレシジョン・システム・サイエンス社(PSS)のものも同様に評価されています(上の表の6参照)。
一方、ワクチン開発で実質的に先行しているのは米国のモデルナ。噂が本当なら第三相の試験開始が7月には始まり、今秋には小規模ながら実験提供がありそうです。でも、全体的には進捗がもう1つ(みたい)。
というのも、新型コロナ禍が収まりつつある現在、治験する人数が限られてきたことがネックになっているのが1つ。また、トップを走っていると自負していた中国は他国のワクチンは無償で提供すべきだと言い出したり(自国のは安価で提供といっていた)、英国ではオックスフォード大と組んでいるアストラゼネカがギリアドといっしょになるという噂が出てきたり、何か開発が停滞しているような気配が窺えます。まぁ世の中、情報戦ですから各所にスパイあり、他社を出し抜こうという意図があるのかも。
そして、つい最近、新型コロナウイルス感染症の『抗体治療薬』の第Ⅰ相臨床試験が開始されたというニュースが出てきました。米国のイーライリリー・アンド・カンパニーが発表したLY-CoV555とJS016がその抗体治療薬。新型コロナウイルスのスパイク蛋白に結合可能なモノクローナル抗体とのことです。もし、第Ⅰ相・第Ⅱ相・第Ⅲ相の臨床試験が順調に進めば、治療薬として有望なだけでなく、高リスク者への予防治療としての治験も目論んでいる様子。それにしても第1の抗体治療薬の臨床試験開始を発表した1週間後に第2の抗体治療薬を発表したイーライリリー。第3、第4と続くのか、注目です。ただし、モノクローナル抗体は値段がバカ高くなりそうなのが心配。
一方、本サイトで話題にしたイベルメクチンですが、やっと北里大学が「新型コロナウイルス感染症の治療薬として1年以内の承認申請を目指す考え」を示しました。先に治験計画を打ち上げたのは記した通りですが、どうやら資金繰りが大変なようで、寄附金だけでどこまでやれるのか心配です。リアルなバカトノはオトモダチ企業のアビガン(アベガン?)に固執せず、国際的に評価される特効薬開発に目を向けて欲しいものです。
もう1つ。三密と集近閉。三密とは密閉、密集、密接のこと。この3つを避けることで、感染症を予防しようというものですが、これを別の云い方で表したのが「集近閉」。
集まらず、近くならず、閉鎖せず、で「集近閉」。某国家トップの名前と同じ発音になっているのが面白い。
それにしても、中国での感染者数や死亡者数は1桁違うのではないか(つまり10倍以上)というレポートが出てきたり、(前から指摘されていたように)データの信憑性への疑念が膨らんでいます。観光インバウンドを増やすために中国韓国等から旅行客を安易に受け入れるのは大きな問題となる気がしてなりません。
新型コロナウイルス感染症の再燃防止のために、海外からの観光客の受け入れ基準の厳格化や迅速大量の検査体制の構築などが急がれます。そういう意味でも、PSS社の自動化PCR装置は期待できるものと考えています(ポジショントークです、念のため)。