アベノ休校

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現首相の経済政策をアベノミクスと称するのに倣って、先週末突然飛び出した小中高校の全国一斉休校をアベノ休校ということにしました(私の勝手)。生徒のみならず、働いている親の仕事や収入など、その影響範囲がとっても広範なのを認識した上での一斉休校だったのか、首相が言い出せば忖度官僚らが何とでもしてくれると考えたのか。そもそもホンマに効果があるのかどうか。

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個人的な印象でいえば、アベノ休校はやり過ぎ。明らかな過剰対策です。厚労省がクルーズ船の感染対策をミスって、感染者を公共空間に放ってしまった時点で、この国の感染状況は残念ながら、封じ込めから市中感染段階に移行してしまいました。全国一律のアベノ休校は後手の悪手でしょう。

河北新報 2020/3/01より

たとえば、クルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス号)から下船した乗客で、当初は陰性とされていたのに実は感染していたという例が昨日は2例報じられました。1人目は仙台市70代男性。仙台市は厚労省へ事態の検証を要求していますが、厚労省から仙台市への連絡が下船後3日もたってからだったことを問題視しているのでしょう。また、静岡県男性(60代)は下船後にスポーツクラブの浴場を利用していたと報じられています(その後に感染確認)。下船後の陽性例は、2月下旬に栃木県の女性や徳島県の女性(60代)でも報道されています。

どの人もおそらく1度目の検査以降の船内での感染か、1度目の検査が偽陰性だったかでしょう。欧米などでは下船後すぐにチャーター機などで帰国させた後、自国内で2週間隔離するということを行っています。しかし、日本だけは下船後は全く隔離せず、一般のバスや電車などの公共交通機関を使って帰宅させました。下船した人で実は陽性という人が全国にいるはず。すなわち隠れ感染者のウイルスは市中に放たれたと考えるべきです。

アベノ休校に話を戻すと、学校封鎖は慎重に進めるべき案件でした。感染者が1人もいない地域の学校を突然休校させるというのは英断というより暴走でしかありません。もともと学校保健法ではインフルエンザなどの対策として学級閉鎖や休校が規定されていますから、それに準じて必要な学級閉鎖や休校を行えば、不必要な混乱は避けられたはず。

だいいち学校を休校しても、児童生徒が集まる場所は他にもあります。それに、感染した時に死亡率が高いのは高齢者や糖尿病・高血圧などの持病がある人たちで、この人たちはもともと学校に行っていません。こんな対応ではこれからも後手後手でいろんな処を閉鎖していくことになるだろうと考えていたら、スポーツクラブ等も対象にするらしいとの話が出てきました。思いつきのモグラ叩きゲームはまだまだ続くことでしょう。

なぜこんなことを首相が言い出したのか。学校の休校について必要なしと判断していた「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」には任せられないと考えたのか、クルーズ船の感染対策の失策を隠すためのパフォーマンスなのか、それとも他のゴタゴタ隠しなのか。息を吐くように平気で嘘をつく首相には日頃から辟易していますが、今回はこの国の経済をも破壊する愚策に呆れるばかり。

それにしても、昨今の消費マインドの落ち込みは異様です。地元滋賀県でも飲食店はベコベコ、歓送迎会などの宴会などがバッサリ消えたと嘆いていました。京都や大阪はさらに悲惨らしい。

また馴染みの金沢近江町市場にも観光客が少ないとのことだったので、知り合いの野菜屋さんに旬な野菜を送ってもらおうと電話してみたら、「通りに人がいない」とのこと(あちゃ〜〜)。

マスクはもとよりトイレットペーパーやテッシュの買い走りに至っては、多くの人たちが情報弱者のようで愕然。新型ウイルスには未だ不明点が多いとはいえ、これは異様です。佐藤優さんが「正しく恐れる」ことが重要と云っていましたが、まさしくその通り。

世間のゴタゴタをよそに拙宅でも梅が咲いた。

さてさてアベノ休校は消費マインドの落ち込みをさらに大きくしてしまうのか。それとも世間の良識が政治家のアリバイ工作を見破り、健全な明日を構築できるのか。新型ウイルス対応で庶民の真価が問われているのではないでしょうか。